設立前後のお金の流れは?動かし方は?!~法人設立実績200社以上の司法書士が解説します。


  • 会社の通帳はいつ作ればよい?!
  • 会社の通帳まだ出来ていないから出資金いれる口座がありません!

これらも設立登記を依頼されるお客様に聞かれることの多い事項です。

会社法人の設立実績200社以上の司法書士が解説します。

もくじ
  1. 会社設立時のお金「4つの原則」
  2. 会社設立前後のお金の流れ・動かし方

会社設立時のお金「4つの原則」


この4原則を理解してから読み進めていただくと、以降の説明は簡単に理解いただけると思います。

 

原則1.会社の設立登記が完了しないと会社名義の口座(通帳)は作れません。

下表のとおり結構時間が掛かります。

出資金は発起人名義口座へ入金 会社設立登記申請 登記完了 銀行へ登記簿謄本などを提出して、口座開設審査開始 銀行から審査完了の連絡 口座開設
                     
    ←この間1週間→   ←←←この間、1~2週間→→→    

あなたのまちの司法書士事務所グループで創業された方は、登記申請中に法人口座開設をお申し込みいただけます。

登記前に法人口座の審査を進めることができるため、時間を有効活用できます。

法人口座開設の準備が行え、法人登記完了後は、最短で当日より口座の利用が可能となるため、より早く事業を開始いただけます。

※口座開設には審査がございます。

詳しくは、コラム「法人口座を設立登記申請中より申込可能(提携金融機関のご紹介)」をご参照ください。

原則2.銀行に払込金保管証明をしてもらう必要はなくなりました。

商法の時代、会社設立登記をする際には、銀行に「確かに出資金を預っていますよ」という証明書「払込金保管証明書」を作成してもらい、それを登記に添付していました。払込金保管証明書は、銀行の責任が重いため、簡単には発行してくれず、起業の障害になっているという批判がありました。

そこで、平成18年会社法は「払込金保管証明書は要りませんが、代表取締役が証明してください」ということになり、通帳の写しに代表取締役が出資金を確かに預っていますよという払込証明をすることになりました。

原則3.他人から借りたお金を資本金にする「見せ金」は違法!

会社が他人から借りたお金を資本金の額に加算することを「見せ金」と言いますが、法律で厳しく禁止されています。

  • 公正証書原本不実記載等罪(刑法157条)・・・5年以下の懲役又は50万円以上の罰金
  • 出資の履行を仮装した場合の株主・役員の責任(会社法52条の2条)

詳しくは、HP「借りたお金を資本金に加算する『見せ金』は違法!『見せ金』を回避する方法はないのか?!」をご参照ください。

原則4.出資行為が必要

「口座に出資金もう入ってますから」とおっしゃる社長様がいらっしゃいます。

しかし、出資金に相当する金額が口座に入っていてもダメなんです。「出資行為」が必要です。「出資行為」というのは、会社設立(登記)後、その会社の株主になる意思でお金を動かすことです。具体的には、銀行にお越しいただき出資額と同額の「出金伝票」と「入金伝票」をご記入くださり窓口に提出ください。窓口からお金が出てくることはありませんが、記帳すると出資金同額の出金と入金が記録されていると思います。この「入金」が必要なのです。

また、通帳に氏名が記載される「振込」である必要はありませんが、第三者設立の会社に参加し、発起人となる場合には、あえて振込みをすることで記録に残すことも大切です。

詳しくは、HP「会社設立の出資金の入金方法、通帳コピーの作成方法(出資払込証明)」をご参照ください。

会社設立前後のお金の流れ・動かし方


会社設立に際しては、色々とやることが多いのですが、そのうち「お金」に関する部分のみを、わかりやすく抜粋すると次のようになります。

 

① お金をかき集める

他人や銀行から個人で借りた金を資本金に加算すること(見せ金)は法律で禁止されています。

【コラム】借りたお金を資本金に加算する「見せ金」は違法か?見せ金を回避する方法はないか?!

集めるべき資本金は、業種によって異なりますが、どんな業種でも最低100万円は資本金としてください。30万円などでは設立登記を申請しただけで無くなってしまいます。

② 司法書士に相談する。

③ 資本金の額を決める。誰がいくらずつ出すか決める。

司法書士の話を聞いてから、資本金の額を決めてください。

複数人で会社を立ち上げる場合には、出資比率によって発言権も変わります。

【コラム】議案の種類と決議機関。この議案は、株主総会決議が必要なのか?取締役会決議でよいのか?/各種決議の定足数と決議要件

④ 司法書士から「出資金を入れてくださいね」と連絡します。

⑤ 発起人・社員の個人名義通帳に出資金を入金

この段階では、会社名義の通帳が作れないからです。

⑥ 出資金を入金した通帳コピーを司法書士へ提出ください。

⑦ 司法書士が通帳の必要箇所をコピーして、出資金である旨の証明書を添付して合綴します。

⑧ 司法書士が法務局に設立登記申請

④の証明書も添付書類として提出します。

⑨ 設立登記完了し、司法書士から設立関連書類が送付される。

  • 誰が出資したのか明らかにする「株主名簿管理ファイル」
  • 設立に関する事項を決定した書類を合綴した「重要書類管理ファイル」
  • 会社定款
  • 会社登記事項証明書
  • 会社印鑑証明書

などを送付します。

⑩ 銀行に口座開設依頼

必ず社長ご本人が銀行窓口へお越しください。

必要書類は、司法書士から渡された⑥の書類全部、社長の本人確認書類、法人実印です。

銀行員から、事業目的や口座開設意図など色々聞かれますが、我慢してお付き合いください。

最後に銀行員から「もし口座開設できなくても、理由は一切、一切お知らせできません。」などと言われますが、グッとこらえてください。

⑪ 銀行が反社調査を行なう。

銀行が警察に会社関係者(株主・役員)に反社会的勢力に属している方がいないか照会します。

⑫ 銀行から口座開設できる旨の連絡

反社調査に問題がなければ、銀行から「口座開設できる」旨の連絡が入ります。

⑦から概ね2週間後です。

⑬ 銀行に行って口座開設

必ず社長ご本人が銀行窓口へお越しください。

必要書類は、司法書士から渡された⑥の書類全部、社長の本人確認書類、法人実印です。

⑭ 個人口座から出金し、会社口座へ入金

設立登記などにお金を使っているでしょうから、会社口座へ入れるお金は資本金を下回っていても大丈夫です。

⑮ 税理士が開業準備費用などを仕分け

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