M&A➋デューデリジェンス


M&Aでは、様々な専門家によるチェックを完了させてから、対価を支払う必要があります。

 

対価を支払ってから、予期せぬ重大な問題が発見され、M&Aのために支払った対価が無意味になってしまうのを防止するためです。

 

たとえば、

  • 全株式を買った筈が、実は売手が一部の株式しか所有していなかった事例
  • 主要な取引先との契約書に、アウトオブコントロール条項(株主が変われば取引を中止する条項)が入っていた事例
  • M&A契約書で、売主に競業禁止をしなかったため、顧客が売主に着いていった事例

などなど、気をつけるポイントは、まさに山のようにあります。

 

また、M&Aではデューデリジェンスを行なうことが通常となった現在では、当然行なうべきデューデリを行なわず買手会社に損害を与えた買手のM&A担当役員は、善管注意義務違反の責任を問われる可能性があります。

 

当グループでは、買収対象企業に法的な問題がないかをチェックして買手に報告し、買収対象企業に説明や是正をうながします。

デューデリジェンス(DD)とは


M&Aの実行に先立ち、主に買主が売手企業の情報に、問題点がないか精査することです。

次のような種類があります。

当グループでは、❶法務及び❻不動産に関するDDを担当させていただきます。

分野 担当者
❶法務  司法書士、弁護士
❷財務 公認会計士、税理士
❸税務 税理士
❹人事労務 社会保険労務士
❺不動産 司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、不動産会社
❻経営 買主自身
❼IT 買主自身、コンサル

デューデリジェンスの流れ


方針決定

購入希望にいたった動機、売却希望にいたった動機、M&A全体の予算などをお伺いします。

DDの範囲、スケジュール、他の専門家との連携要否、DD予算などを決定します。

専門家チームによる事前準備

対象企業から提出される以外の資料を収集し、全体像の把握、専門家間の情報共有を行ないます。

キックオフ・ミーティング

買手企業の担当者・社長様、売手企業の担当者・社長様と専門家集団が顔合わせします。

売手企業にDDに対する理解をしてもらう場でもあります。

資料請求

DD担当者から対象企業に対して、開示を求める資料や情報を書面で請求します。

資料の検討

DD担当者・買手企業は、資料を検討します。必要に応じて追加請求を行ないます。

売手企業に対してインタビューの実施

書面だけでは分からなかった事情(開示してもらえなかった書面)を対象企業の役員・担当者から直接聞き取ることで明らかにします。

問題点の調査・検討

開示資料とインタビューの情報から、問題点がないか調査・検討を行ないます。

外部専門家(弁護士など)に意見を求めることもあります。

結果報告(レポート提出)

司法書士から買手企業に対して、発見した問題点などを報告します。

ご要望に応じて、レポートを提出します。

追加調査

優先度が高い事項に関する追加調査を行ないます。

また、予算に応じて、当初優先度が低かったものの調査を行ないます。

所要時間


(相手方の資料提出のスピードなどにも寄りますが)概ね1か月程度で終わらせるのが通常です。

司法書士報酬・手数料


司法書士にデューデリジェンスをご依頼いただいた場合、報酬は下記のとおりです。

※ 顧問契約を締結いただいている場合、割引きがございます。

デューデリジェンス(アドバイザリー契約)部分

買収の成否にかかわらずご請求させていただきます。

司法書士業務 司法書士報酬
デューデリジェンス(アドバイザリー契約) 1時間あたり2.2万円(税込)

非上場の中小企業の場合、概ね50時間で収まるイメージです。

Q&A よくあるお問い合わせ


Q.最終合意書の表明保証条項をしっかり作っていれば、デューデリジェンスは省略できるのでは、ありませんか?

決して、省略することはできません。譲渡代金を支払った後、お金を取り戻すのは大変困難を極めます。場合によっては、訴訟手続きを要することもあります。また、勝訴判決を得た場合でも、譲渡代金を買主が他に使ってしまっていた場合には、回収(損失填補)は不可能です。

よって、買手は、譲渡代金を支払う前に、譲渡対象企業を調べ尽くす必要があるのです。

(令和元年9月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)


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