養育費の決定や変更の手続き


自暴自棄になったり、早く離婚したいからと適当に金額を決めてよいものではありません。相場を知ったうえで、妥当な金額を決めることが子供と父母にとって、とても大切なのです。

 

司法書士に相場をきき、司法書士に合意書作成や調停申立書の作成を依頼しご自身で交渉することで、弁護士に依頼して高額養育費の約束を取り付けたけれど、弁護士報酬を支払ったら意味がなくなったということを防止します。

 

安心してください。

当グループには「家庭裁判所手続勉強会」設立者・主宰者(兵庫県司法書士会神戸支部)も所属してます。 

当グループでは、家庭裁判所への調停や審判の申立、期日での支援を通じてあなたの問題解決に寄り添います。

もくじ
  1. 養育費の額の決定
  2. 養育費の変更(事情の変更)
  3. 養育費を増額請求できる理由
  4. 養育費を減額請求できる理由
  5. 養育費決定(変更)手続の流れ
  6. 標準的な所要時間
  7. 司法書士の報酬・費用
  8. Q&A よくあるお問い合わせ
  9. 人気の関連ページ

養育費の額の決定


支払金額

養育費は、

  1. 毎月支払う額を
  2. 母の年収、父の年収、子どもの人数、年齢を基準にして
  3. 子ども一人ずつについて

「養育費算定表」(裁判所HP)を使って決めます。

いつまで支払うのか

  • 子どもが成人するまで
  • 大学を卒業するまで

などと決定することが多いです。成人するまでなのか、大学卒業までなのかは、親の学歴なども考慮して決定します。

とても大切なこと

自暴自棄になったり、早く離婚したいからと適当に金額を決めてよいものではありません。相場(養育費算定表〔裁判所HP〕)を知ったうえで、妥当な金額を決めることが子供と父母にとって、とても大切です。

  • もらう側は、相場より高額の約束を取り付けたとしても、実際に支払ってくれなければ意味がありません。
  • 支払う側も、一度決まった金額を変更することは容易ではありません。また、合意した金額を支払えない場合には、強制執行されることになりますが、養育費の強制執行はとても強力です。相場に従いながらも実際に支払える金額を合意できるよう努力しましょう。
  • 調停では、相場を基準としながらも、支払い能力まで見ながら支払える金額での合意を目指してくれます。
  • 審判になると、支払い能力などは無視され、相場どおりの金額を決定されます【1】。

【1】法律上、養育費の請求権は、とても強い権利で、他の権利(住宅ローンやサラ金の借金など)よりも優先されます。裁判官は法律通りに決めますので、他の借金の存在などは無視されるということです。

養育費の変更(事情の変更)


一度決まった養育費は、ずっとそのままなのか?

そうではありません。支払う側、受け取る側の事情が変更した場合には、増額又は減額の変更が認められることがあります。

なお、自動的に増額や減額されるわけではなく、相手方との合意が必要です。合意ができないときには、調停を申し立てることになります。

増額請求できる理由、減額請求できる理由を見ていきましょう。

養育費を増額請求できる理由


一度決めた養育費であっても次のような事情があるときには、増額変更が認められることがあります。

支払っている側の収入が増えた場合

受け取っている側の収入が減った場合

  1. 減収が一時的ではなく、継続的な減収が見込まれる場合で、なおかつ、
  2. 自分の意思による減収ではない場合

に認められる可能性があります。

 

働く能力があるのに、会社を退職し、就職活動をしないような場合には、増額請求は認められません。

子どもが難病になって、継続的に高額な医療費が必要になった場合

養育費を減額請求できる理由


一度決めた養育費であっても次のような事情があるときには、減額変更が認められることがあります。

支払っている側の収入が減った場合

  1. 減収が一時的ではなく、継続的な減収が見込まれる場合で、なおかつ、
  2. 自分の意思による減収ではない場合

に認められる可能性があります。

 

働く能力があるのに、会社を退職し、就職活動をしないような場合には、減額は認められません。

支払っている側の扶養家族が増えた場合

再婚した場合などです。

受け取っている側の収入が増えた場合

受け取っている側が再婚し、再婚相手が子供と養子縁組した場合

養育費決定(変更)手続の流れ


養育費を決定又は変更する必要性が発生

養育費を増額又は減額して欲しい事情が発生

ご相談

最寄りの当グループ事務所にご相談ください。養育費の額を決めるための基準などをお伝えします。

証拠が残る形で通知

過去の分の養育費を請求することや、過去に遡って養育費の増額又は減額を請求することはできませんので、請求した日が後日争いにならないように、証拠が残る形で請求の意思表示を通知しておきます。内容証明郵便がベストですが、ご負担が大きい場合には、メールやラインで送信してもOKです。

話し合いで解決できた場合

後日争いにならないように合意書を作成しましょう。

受け取る側の立場の場合には、公正証書にしておくべきです。

(話し合いで解決できなかった場合)調停申し立て

相手方住所地を管轄する家庭裁判所に申立を行います。

調停申立書の作成を司法書士が承ることが可能です。

(調停が不成立となった場合)自動的に審判手続きに移行

話し合いが決裂した場合には、裁判官が判断して、審判を出します。

審判の言い渡し

即時抗告

不服申し立てが出来るのは、告知から2週間です。

標準的な所要時間


おおむね次のとおりです。

  あくまで目安
合意書作成 合意内容確定~1・2週間
合意書を公正証書にする +1週間
養育費請求調停申立 ご依頼~2・3週間
養育費調停による解決 申立~(早ければ)2・3か月(長くて)6・12か月

司法書士の報酬・費用


業務の種類 司法書士の手数料 実費
話し合いで解決できた場合の合意書作成 110,000円(税込)/通  

合意書を公正証書にする場合

公証人との折衝

公証役場への同行

+33,000円(税込)/通 公証人手数料

養育費請求調停申立書作成

養育費増額請求調停申立書作成

養育費減額請求調停申立書作成

220,000円(税込)

収入印紙

1,200円/未成年者一人

切手

数千円

追加主張書面作成

5,500円~110,000円(税込)/通  

期日同行支援日当【1】

22,000円(税込)/期日 交通費

【1】家庭裁判所の事件では、司法書士には皆さまを代理して弁論する権限がありません。また、調停室に同席することも原則できません。調停室で調停委員に言われたことをメモしていただき、待機している司法書士にご相談いただけます。

Q&A よくあるお問い合わせ


Q.離婚するときに、養育費の約束をしませんでした。今さら請求できませんよね?!

離婚を早くしたくって、養育費について取り決めをせずに、離婚することもあります。

養育費は、お子さんのためのものです。そして、離婚後であっても、お子さんの扶養義務は負っています。

よって、養育費について何等取り決めをしていない場合でも、請求することは可能です。

(令和1年12月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)


Q.これまで養育費を請求してきませんでした。離婚の時からの養育費を請求することは可能でしょうか?!

請求した時からの養育費を認めるのが実務の取扱いです。

「請求した時点はいつなのか」証明できるようにしておきましょう。

(令和1年12月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)


Q.元夫は養育費未払いで破産しました。未払いの養育費を請求できますか?

養育費は、非免責債権つまり破産免責を受けても支払い義務を免れないとされています(破産法253Ⅰ④ハ)。よって、養育費を請求することが可能です。

(令和1年12月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)


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