司法書士を法律顧問に迎えるという選択


貴社が大手法律事務所・数社と顧問契約を締結していないのならば、貴社の法律顧問として相応しいのは、司法書士である。当グループでは、そう考えています。

 

グループの司法書士佐藤大輔が執筆した原稿「司法書士を法律顧問に迎えるという選択」が法律雑誌「市民と法・2018年2月号」に掲載されましたので、若干の加筆を行ない掲載しました。

1.はじめに


市民と法・2018年2月号表紙
市民と法・2018年2月号表紙

いつの頃からか筆者に顧問就任を依頼する企業・事業主が増えてきました。当初は簡単な質問が多かったので「いやいや日頃、お世話になっていますから」と申し上げて、有償の顧問契約をこちらから辞退してきました。

現在は、多くの顧問先を抱えるようになり、同業者からも問合せを受けるようになってきましたので、本稿において、法律顧問を分析したいと思います。


2.各士業の企業への関与率


関与率というのはすべての企業に占める、士業が関与している企業の割合のことです。

まず、税理士は、多くの中小企業に関与しており平成24年度法人税申告の税理士関与割合は87.7%です【1】。

次に、社会保険労務士は、関与率56.4%【2】とこちらの数字も大きいです。

一方、弁護士を顧問として雇っている事業者は僅かに19.5%【3】に過ぎません。 


【1】「国税庁の税務調査の概要」平成26年4月23日国税庁。

【2】「社労士のニーズに関する企業向け調査結果について」全国社会保険労務士会連合会・平成28年3月14日発表。

【3】日弁連「中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書(調査結果編))2008年3月公表・10頁」。 

3.企業に法律顧問は必要か?


弁護士と顧問契約を締結していない企業がこれだけあるということは、法律顧問は無用なのでしょうか。

たとえば、紛争予防と紛争解決に必須である契約書を私たち専門家から見ると企業は軽視し過ぎていると思います。インターネットで拾ってきた雛形をそのまま利用しているのであれば、まだマシです。一切書面で残しておらずトラブルになった事例も多々存在しています。重要な決議を行なう株主総会を開催していないにも関わらず、開催したことにして自社で登記申請をして後日株主とトラブルになった事例も多いです。また、新しい意匠を考え出した、発明をしたというときに、知的財産の登録を怠ったがために他社に先に登録されてしまったという事例も多々存在します。

これまでトラブル知らずという企業もあるでしょう。しかしながらそれは、トラブルが顕在化しなかった(たまたま上手くいっていた)だけなのです。「当社は零細企業だから法律とか無縁です」と、言われることもあります。しかし、零細中小企業こそ、法律の遵守が求められています。零細中小企業が一度不祥事を起こし、マスコミで批判をされると、資金に乏しい零細中小企業は倒産に追い込まれることが多数あるからです。

このように事業活動が内包しているトラブルの芽は多種多様であり、企業が法律専門家と顧問契約を締結し、事業活動を見守ってもらうことは必要不可欠と考えます。

4.法律顧問として相応しい職業は何か?


世の中には契約書のレビューや買収交渉への立ち会いといった比較的平穏な法的ニーズから、示談・訴訟という不穏な法的ニーズまで様々あります。分野でいうと43種類もあるということです【4】。

イザ紛争が激化して、相手方がその分野最強の弁護士を雇った場合、企業が雇っている一人の顧問弁護士が勝つことが出来るでしょうか。一口に弁護士といっても、消費者問題に強い弁護士、離婚問題に強い弁護士、交通事故に強い弁護士、企業間トラブルに強い弁護士・・・と多種多様です。一人の弁護士が全分野でエキスパートであり得る筈がありません。例えば、離婚問題に強い弁護士が、交通事故に強い弁護士と、交通事故事件で勝負した場合、前者は勝ち得る筈がないことは容易に想像できます。企業が、あらゆる紛争に備え、それに勝つことを想定した場合、各分野の弁護士を常備することが必要となり、莫大な費用を要します。そして、利益追求を目的とする会社にとって、必要もないのに、専門家部隊を常に雇っておくことは、無駄なのです。

その点、私たち司法書士であれば、訴額140万円以下の小さな案件は、自ら処理することが可能です。また、各分野に強い弁護士と懇意にしておくことで、紛争が激化した際には、その分野を得意とする最適な弁護士に速やかに引き継ぐことが可能となります。司法書士の紹介だからと弁護士報酬を割引してくれることも多いし、何件か紹介すると電話での相談にも快く応じてくれるようになります。

当事務所グループ【5】では10名以上の弁護士と懇意にさせていただいています。すなわち、当事務所グループと顧問契約を締結している企業は、その分野最強の弁護士10名以上と顧問契約を締結しているのと同じメリットを享受することが可能となるのです。


【4】兵庫県弁護士会HP

【5】「あなたのまちの司法書士事務所グループ」一定以上のレベルに達した司法書士のみが加盟できる司法書士事務所グループ。神戸市内5事務所、兵庫県内8事務所が加盟し、司法書士業務の研究及びグループの広告宣伝を行うあなまちサムライサポート株式会社を傘下に置いています。資料請求・入会申込は、 コチラから。 

5.ブレーンとなる弁護士の見つけ方、適切な付き合い方


まず、大学時代の人脈はとても重宝しています。筆者が、司法試験対策ゼミに所属していたこともあり、皆いずれ劣らぬ弁護士となっています。次に、各種セミナーで講師を務められた弁護士も(お話しが分かりやすく、信頼に足る先生だと思われれば)大切にしています。今はたちまち関係ないと思われる分野であったとしても、講義終了後、すぐに名刺交換をするようにしています。その他にも、異業種交流会に参加して議論し酒を酌み交わせば、得意分野のみならず、人格まで知り尽くした信頼のおける弁護士と懇意になることもできます。

そして、懇意になった弁護士には、ひたすらその弁護士の得意分野だけを紹介しつづける。ここでの注意点は、何でもかんでも一人の弁護士に紹介してはいけないということです。誰でも専門ではない仕事は、時間がかかるし、要領も得ないからです。

ただ、司法書士が法律顧問としてより良いパフォーマンスを発揮するためには、ブレーンは弁護士だけでは足りません。税理士・公認会計士・社会保険労務士・弁理士・不動産鑑定士・土地家屋調査士・一級建築士・行政書士・中小企業診断士・FPの方などとも懇意にしておく必要があるのです。

7.当グループの顧問契約のご紹介


最後に当事務所グループの顧問契約をご紹介します。小規模事業主や個人向けの①月額11,000円プラン、法人向けの②月額33,000円、③月額55,000円の定額制と、④1時間あたり22,000円のタイムチャージ制を用意しています。タイムチャージ制は、全く業務内容の分量が予想できないときに提案しています。

あなたのまちの司法書士事務所グループ

兵庫県8拠点、東京都3拠点


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