生前贈与の手続と登記


贈与とは、財産を対価なしに(無償で)与える契約です。

贈与契約には、他の契約(売買など)と異なる特徴があります。 

 

不動産を贈与する手続は、不動産登記の中でも比較的簡単なものに分類されます。

私たちのグループでは「贈与登記やってください」とご相談にみえた場合でも

  • 本当に「今すぐ」「不動産を」「贈与」した方が良いのか?
  • 他に良い方法はないのか?
  • 税金は大丈夫なのか?
  • 後日抹消しないといけない事態が発生しないのか?

など多角的な角度で検討し、実行をお手伝いします。

 

※一般の方のブログなどで「生前相続」などと紹介されることもありますが、「生前相続」などという法律用語はなく、正しくは「贈与」のことです。

もくじ
  1. 贈与契約の特徴
  2. 贈与の流れ
  3. 標準的な所要時間
  4. 司法書士の報酬・費用
  5. Q&Aよくあるお問合せ
  6. 人気の関連ページ

贈与契約の特徴


贈与は、財産を対価なしに(無償で)与える契約で、次のような特徴があります。

 

❶ 贈与も契約ですから、あげる側(贈与者)ともらう側(受贈者)の合意が必要です。

☛「あげると言ってるんだから」と押しつけることは出来ません。

 

❷ 口約束でも成立します。

書面で作成されていない贈与契約は、贈与者がいつでも撤回できます。

☛すぐに贈与してもらえない場合には、受贈者は、書面を作成しておく必要があります。

 

❸ 贈与者が、贈与する物を受贈者に渡さないでも成立します。

ただし、引渡しが終われば、贈与者は撤回出来なくなります。

☛引渡しや登記などを早急に行ないます。

 

❹ 贈与した物に、瑕疵(かし・キズ)があっても、贈与者は責任を負いません。

ただし、贈与者が知っていて告げなかった瑕疵は、責任を負います。

☛瑕疵がある場合には、贈与者は受贈者に告知をしておく必要があります。

 

❺ 贈与を行なうと高額な贈与税が課税されることがあります。 

贈与の流れ


ご予約

最寄りの「あなたのまちの司法書士事務所グループ」事務所にお電話くださいアクセス

ご相談受付

原則としてお越しいただき、財産と、将来の相続人について、お話をうかがいます。

プランご提出

財産の規模によりますが、概ね1週間から1か月でプランとお見積を提出します。

ご親族間協議

どのプランを採用されるか、ご親族間でお話し合いをお願いします。

ご連絡ください

どのプランを採用されたか、ご連絡ください。

書類作成

司法書士がプランに応じた書類を作成します。

プラン実行

原則としてお越しいただき、書類に押印いただきます。司法書士が法務局へ登記申請いたします。

出来上りお渡し

完了後の権利証・登記簿謄本をお渡しします。

税務申告

当グループ提携税理士に申告をご依頼いただくことも可能です。

標準的な所要時間


業務内容 所要時間
お話をお伺い~資料収集~税理士に提出 1週間 
(税理士による)贈与税資産 1週間
(司法書士による)贈与書類・登記書類作成 1週間
書類へ調印~法務局提出~登記完了 2週間
(司法書士による)登記完了書類のチェック 1週間
合計 6週間ほど

司法書士の報酬・費用


業務の種類 司法書士の報酬・手数料 実費

(不動産を贈与)

不動産贈与証書作成

生前贈与の登記

110,000円(税込)~ 固定資産評価額の1000分の20

(不動産以外を贈与)

各種贈与契約書作成

11,000円(税込)~  

Q&A よくあるお問い合わせ


Q.贈与の税金を軽減する税制には、どのようなものがありますか?

次のとおりです。税理士に必ず相談のうえ、選択し、進める必要があります。当事務所グループであれば、顧問税理士と密接に連携しながら、ご提案することが可能です。

(平成28年9月。司法書士佐藤大輔)

 

  暦年課税 相続時精算課税 夫婦間贈与
概要

毎年1/1~12/31に貰った額のうち貰う人一人につき110万円までが非課税【1】

相続の時に精算するから、今のうちに贈与させてという制度。

2,500万円まで非課税

贈与者ごとに選択します

長年連れ添った夫婦へのご褒美。

最高2,000万円(+基礎控除110万円)が非課税

要件 翌2/1~3/15に贈与税の申告

①60歳以上の親から

②20歳以上の子や孫への贈与

③翌2/1~3/15に贈与税の申告

①婚姻期間20年以上の夫婦間

②居住用不動産(居住用不動産取得資金)の贈与

③贈与を受けた翌年3/15まで受贈者が実際に居住。その後も居住見込み

④翌2/1~3/15に贈与税の申告

メリット 長期にわたり、贈与し続けると多くを非課税で移せる
  • 収益を得られる不動産の場合には、メリット大
  • 相続税がかからない人が高額贈与を受けるとき利用するとメリット大
 
デメリット
  • 相続開始前3年内の相続人への贈与は相続税の対象となる
  • 不動産取得税が課税される。
    CF相続では課税されない。

 

  • 相続時精算課税は、一度適用を受けると暦年課税制度には戻れない
  • 不動産取得税が課税される。
    CF相続では課税されない。

 

  • 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については、一生に一度。
  • 不動産取得税が課税される。
    CF相続では課税されない。

【1】2人から贈与を受けた場合でも、非課税枠は2倍になりません。

【2】小規模宅地の特例は、相続税の制度であり、贈与の際には利用できません。


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