相続土地国庫帰属法(2023年施行済)を使って相続税額とご子孫の負担を減らしましょう。


ご自身の代で必要なことをやってしまって、必要な経費(お金)を使い、相続財産を減らす。

不要な土地をなくして相続人に喜んで貰えるという至極真っ当な相続税対策のご提案です。

この記事は令和3年8月11日に「空き家どうする?」に寄稿したコラムを編集し、再公開するものです。

もくじ
  1. 相続土地国庫帰属法の概要
  2. あなたが相続土地国庫帰属法などを利用して不要土地を処分した場合
  3. あなたが不要土地を処分せず、次世代に引き継ぐ場合
  4. 結論
  5. 同種制度との比較

1.相続土地国庫帰属法の概要


全く利用できない土地を相続することがあります。誰かに売却できる土地であれば良いのですが、誰も引き取ってくれない土地もあります。このような土地でも、一定の要件を満たした土地であれば、国が引き取ってくれる制度が2023年4月28日からスタートしています。細かい要件などについては、コラム「相続した土地を国に引き取って貰う制度の創設(相続土地国庫帰属法)」をご確認ください。

 

今回注目したいのは、、国に不要な土地を引き取って貰うためには、様々な費用が必要だということです。そして、これこそが「相続税額とご子孫の負担を減らす」秘訣につながるのです。

 

以下の二つのパターンに分けて考えてみます。

  1. あなたが相続土地国庫帰属法などを利用して不要土地を処分した場合
  2. あなたが不要土地を処分せず、次世代に引き継ぐ場合

2.あなたが相続土地国庫帰属法などを利用して不要土地を処分した場合


まず、単純に相続財産が減れば、相続税負担も小さくなります。

▲不要土地の相続税評価額

また、相続土地国庫帰属法によって不要土地を処分するには次のような負担が発生します。

▲国へ納める審査手数料

▲国へ納める負担金(10年分の管理料)

▲相続土地国庫帰属法所定の要件を満たすための費用

この負担をあなたが負担することによって、その分相続財産が減り、相続税負担も小さくなります。

3.あなたが不要土地を処分せず、次世代に引き継ぐ場合


不要な土地であっても相続税評価はつきますので、相続税の対象となります。

相続税の基礎控除額がとても小さくなったことを考えると不要土地がこれに含まれることはデメリットしかありません。

また、ご子孫が不要土地を管理するための手間やコストは減りません。 

4.結論


「先祖が残してくれた土地だから私の代では処分したくない。処分は子供に任せたい。」はダメなのは明白です。

ご子孫の世帯が、あなたほど裕福でなければ、相続土地国庫帰属法を使うことができず、あなたのご子孫は半永久的に不要土地の負担に悩まされることになります。

この機会に資産を見直し、不要土地は処分なさることをオススメいたします。

 

〔相続土地国庫帰属法に基づき処分する場合の注意点〕

  1. 山林では使えません。
  2. ご自身が購入したけれど、買手がつかない不動産には使えません。
  3. その他の注意点は、コラム「相続した土地を国に引き取って貰う制度の創設(相続土地国庫帰属法)」をご確認ください。

5.同種制度との比較


安くなる相続税   制度
あなたが相続人である相続の相続税 相続や遺贈によって取得した財産を相続税の申告期限までに、国などへ寄付した場合、寄付した財産は相続税の対象とされない。【1】
あなたが被相続人となる相続の相続税

あなたの生前に相続土地国庫帰属法の基づき不動産を国に帰属させる。

本コラム

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