企業法務の種類と担当専門家


企業法務とは何か?

企業法務を体系的に研究したい方のために、その入口として企業法務の種類を分類しました。また、主な担当専門家を付記しています。

もくじ
  1. 「企業法務の機能」と「主な担当専門家」
  2. 司法書士のご活用を 

企業法務の機能と主な担当専門家


企業法務には、次の3つの機能があることに争いはありません【1・2】。

  臨床法務 予防法務 戦略法務
内容 トラブル発生後、法的に対処する。 トラブル発生前に、法的な予防策(契約書作成、法令順守教育)を講じておく。 法的な視点から企業の経営戦略を策定する。

費用

多額の費用を要することが多い。

臨床法務より低コスト。

トラブルを予防することで、出費を抑える

法令等ルールを熟知した立場からアドバイスし企業の利益を拡大する。

種類
  • クレーム対応
  • 不祥事対応
  • 債権回収(未収金回収)
  • 民事裁判(訴訟・調停)
  • 役員従業員の法律違反に対する刑事裁判
  • 法令違反の発見・是正
  • 社員教育
  • 会社登記
  • 内部統制・コンプライアンス体制構築
  • 株主総会運営・議事録作成・管理など
  • 契約書作成・精査・管理
  • 労務関連
  • 知財関連
  • スタートアップ(ベンチャー)支援
  • 資金調達(ファイナンス)
  • M&A
  • 業務提携・資本提携
  • 組織再編
  • 知的財産権の有効活用
主な担当専門家
  • 弁護士
  • 司法書士【3】
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 社会保険労務士
  • 弁理士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 弁理士

【1】「臨床」「予防」「戦略」の3つに分類しているものは次のとおりです。

  • 金原洋一著『企業法務入門』中央経済社、2020年)28頁
  • 菅原貴与志著『企業法務入門20講』(勁草書房、2021年)1頁
  • 滝川宜信著『リーダーを目指す人のための実践企業法務入門〔全訂版〕』(民事法研究会、2018年)8頁

 

【2】「臨床」「予防」「戦略」に続けて、4つ目の機能として「経営法務(ステークホルダー(利害関係者)の利益を考慮しながら、会社として何が合理的で適切なのかを評価・指導していく)」を加えるものもあります。

  • 日本組織内司法書士協会著『司法書士目線で答える会社の法務実務』日本加除出版/H30/1頁

 

【3】司法書士の「臨床法務」に関する業務は次のとおりです。

  • 訴額140万円までの民事に関する事件について弁護士同様に示談、簡易裁判所での代理を行なう業務
  • 訴額にかかわらず裁判所提出書類(訴状、答弁書、準備書面等)を作成する業務
  • 告訴状など検察庁提出書類を作成する業務

司法書士のご活用を


中小企業経営者、法務部の皆さま

司法書士は「臨床法務」「予防法務」「戦略法務」いずれにも日常的に関与している数少ない専門家です。

  • 昔こっぴどく遣られたことがあるから弁護士は苦手嫌いだという中小企業
  • 顧問弁護士はいるけれど万一の訴訟のために契約しているだけで契約書のチェックなどの日常的な相談には応じてくれないという中小企業

是非、司法書士をご活用ください。

 

また、私たちは全国の司法書士の持つ「企業法務」に関する知見を集め、更にレベルアップするべく、全国の司法書士とともに「企業法務勉強会」を立ち上げました。ご期待ください。

全国の司法書士の皆さま

全国の司法書士の皆さま、「司法書士限定・企業法務勉強会」に参加し、「企業法務」を極めませんか?毎月第3水曜日の18時からZOOMにて開催しています。

詳細は「企業法務勉強会」をご確認ください。

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