合名会社の一人しかいない社員が死去したときの手続(法定清算)


合名会社は、全社員【1】が銀行など債権者に対して無限責任を負う営利企業の一種です。

合名会社自体の数が少ないため、書籍やインターネットにも情報が少なく、まとまって記載されているものも、わずかです。

 

相談を受けたのを機に情報をまとめましたので、掲載します。

たった一回の相談であっても、調べ尽くす

・・・それが「あなたのまちの司法書士事務所グループ」クオリティです。

 

他の司法書士事務所で「難しい。やったことが無い。」などと断わられた場合には、是非、当グループにご相談ください。

もくじ
  1. 必要な手続の選択基準
  2. 合名会社の解散・法定清算の流れ
  3. 標準的な所要時間
  4. 司法書士の報酬・費用
  5. 人気の関連ページ

必要な手続きの選択基準


【事例】次のような事例をもとに、まとめてみました。

  • 合名会社の社員は、お一人のみ。
  • 当該社員は、莫大な資産を作って亡くなった。
  • 当該社員に妻子はおらず、兄弟には財産を渡したくないと、遺言で財産を赤十字に遺贈する。
  • もっとも遺言した財産に合同会社の持分が含まれているかは、現時点で不明である。
 

定款に「社員の相続人等の一般承継人が当該社員に変わって社員となる」旨の定め

あり【1】 なし【1】

持分を承継した者(受遺者)が社員となる=持分承継による入退社の登記

その後、合同会社をどうするかは、受遺者の判断に委ねられる。 

 

 

 

 

 

社員資格の承継はなく社員は退社し(会607)

法人は当然に解散する(会641④)

社員がないことを理由に解散したときは

×任意清算・〇法定清算

清算人の選任

清算手続

清算結了登記

持分を承継した者(相続人)が社員となる=持分承継による入退社の登記

その後、合同会社をどうするかは、相続人の判断に委ねられる。 

社員資格の承継はなく、社員は退社し(会607)、法人は当然に解散する(会641④)。

残余財産の分配を受ける権利が「相続人」となる以外、上段と同じ。

【1】定款規定の有無によって手続きが大きく変わるのは、合名会社が解散していないときのみです。

合名会社が解散しているときには、定款規定の有無に関わらず、その一般承継人は、当該社員の持分を承継して社員となります(会675)。清算持分会社は清算のみを目的とし、営業活動ができないので、持分の承継を認めても、複雑な問題が生じる可能性が低いためとされます(商業登記申請メモ・持分会社編218頁)。

合名会社の解散・法定清算の流れ


任意清算の手続については「合名会社・合資会社の解散・任意清算」をご参照ください。

 

ご相談

もう解散かな?と思ったら・・・最寄りの当グループ事務所にご相談ください。

(解散決議)清算人の選任

清算人は次の順序で決まります(会社法647)

①定款で定められた方、②社員の過半数で選ばれた方、③業務執行社員、④利害関係人の申立により裁判所が選んだ者

解散・清算人選任登記

司法書士が担当します。

債権者保護手続き(官報公告・個別催告)

官報公告は、掲載申込みから掲載まで時間が掛かりますので、清算人に選任されたら、まず最初に官報の申込みをします。

財産目録・貸借対照表の作成

税理士が担当します。

債権の回収/財産の現金化

合名会社に未収金(売掛金など)がある場合には、債権回収をします。

不動産などを保有している場合には、売却して、現金化します。

債権者に対する公告等の期間(官報掲載日の翌日から2か月間)

官報掲載日の翌日から2週間は、清算人は、合名会社の債権者に対して弁済できません(会社661)。

弁済

上の期間満了後、清算人は、合名会社の債権者に対して弁済します。

残余財産の分配

上記手続きの完了後、合名会社にまだ財産が残っている場合には、社員は持分の払戻しを受けることができます(会611)

社員総会を招集

社員総会で、清算人が行なった清算事務を報告し、社員の承認を得ます。

清算結了登記

清算が完了した(プラスの財産も、マイナスの財産も無くなった)ことを登記申請します。

司法書士が担当します。

標準的な所要時間


  所要時間
特に現金化すべき財産がない場合 3~6か月
清算人がいない場合 6~12か月
現金化すべき財産(不動産など)がある場合 半年以上かかることもございます。

司法書士の報酬・費用


顧問契約従業員支援プログラム(EAP)を締結いただいている場合、割引きがございます。

業務の種類 司法書士手数料 実費

全部司法書士にお任せ

22,000円(税込)/時間【1】

 

(裁判所への)

清算人選任申立書作成・提出

 

220,000円(税込)

予納金など

解散・清算人選任・清算結了

  • 解散登記
  • 清算人選任登記
  • 官報公告【2】
  • 清算結了登記

148,500円(税込)

85,000円

【1】全部司法書士にお任せは、タイムチャージ(1時間時給2.2万円)でお引き受けいたします。毎月末に業務日誌を提出し、ご承認のうえ、お支払いいただきます。

【2】会社が解散したときには、官報公告が義務づけられています(会社法499、660)。さらに知れたる債権者がいる場合には、個別の通知(催告)が必要です。その場合に加算される費用は次のとおりです。

  1. 個別催告書原案作成・発送代行の報酬として11,000円+債権者数×1,100円(税込)
  2. 実費として債権者数×特定記録郵便費用242円

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