ある日突然「貴社の従業員である○○さんが逮捕されました。」と弁護士を名乗る人間から電話を受けたとき、どうすれば良いのでしょうか?!
携帯電話から電話してくる弁護士も多いかと思います。そんなときには、次のように対応します。
犯した犯罪の種類にも寄りますが、まずは当該従業員の雇用を継続するのか、解雇するのかを検討する必要があります。
逮捕されたこと=有罪であるとは限りません。誤認逮捕もあり得るからです。よって、逮捕されたことのみをもって解雇することはできません。もっとも、勾留された場合には怠勤になりますので、就業規則や雇用契約に基づき懲戒処分は可能です。
懲戒解雇する場合には、就業規則、雇用契約書を検討して、適法に進める必要があります。
有期雇用の場合には、期間満了により契約更新をしない(雇い止めする)という方法も穏便にすませる方法です。
顧客の金を盗んだなどという場合には、企業の管理体制が問われます。
完全にプライベート上の犯罪であった場合にも、当該従業員が過労状態であった場合などには、精神的に参らせた企業に批判の目が向くこともあり得ます。
いずれにしても対外的に謝罪する準備を進めておきましょう。
協力要請の内容は「従業員のために、会社の費用負担で、弁護士を選任してあげて欲しい」というものでしょう。
会社はこれに協力するべき義務があるのでしょうか?次のとおりです。
原則 | 会社としては、この要請に応じる義務はありません。 |
例外 |
業務中の犯罪である(運送中に社用車で人をひき殺してしまったなど)場合には、会社が賠償義務を負う可能性もありますので、協力すべきでしょう。法的な義務ではありません。 |
例外 |
雇用を継続しようと考える場合には、協力すべきでしょう。 |
当番弁護士が持っている情報のうち個人情報に該当しないことは教えてもらえる可能性があります。
当番弁護士が持っていない情報は、質問しても回答をもらうことは困難です。
当番弁護士が貴社従業員と面談するのは1回切りだからです。
会社としては、従業員に連絡を取りたいと思うでしょう。
こんな時にはどうすれば良いのでしょうか?
当番弁護士は、一回しか従業員に会いに行きませんので、会社・従業員間の連絡係を買って出てはくれません。
勾留予定がなければ、釈放され自宅に戻った本人に直接連絡することができます。
勾留予定であれば、勾留決定後、国選弁護人が選任されその弁護士から連絡があると思います。
接見禁止がついていなければ、直接従業員に手紙を送ることができます。
接見禁止がついていても、国選弁護人を通じて従業員に連絡できます。
国選弁護人から連絡がない場合には、警察署又は検察庁に問い合わせをして手がかりをつかみます。
(所轄警察署が分からない場合もあります。)