複数人連名で内容証明郵便を出すときの注意事項


複数人が連名で、内容証明郵便を出す必要がある場合の方法をご紹介します。

たとえば、代理人として弁護士がついていても相続分放棄の通知を弁護士名で出すためには、弁護士は全員に意思確認をしなければなりません。かような不便やコストを解消するために相続人全員の名前で出すことがあります。

 

内容証明には、書面に押印して郵送する場合(このコラムでは「リアル内容証明」と言います。)と、電子内容証明として郵送する場合があります。

それぞれの場合に、複数人が連名で内容証明を送付する場合の注意点を解説します。

1.リアル内容証明と電子内容証明の違い

2.電子内容証明を、複数人連名で出す場合

3.リアル内容証明を、複数人連名で出す場合

4.後日、効力を争われないよう委任状を取得しておきましょう。

リアル内容証明と電子内容証明の違い


まず複数人連名で出す場合に限らず、「リアル内容証明」と「電子内容証明」の一般的な違いは、次の通りです。

リアル内容証明 電子内容証明
郵便局の窓口から郵送で出す

インターネット上の電子内容証明サービスにログインし

社内・事務所内から入力すると

郵便局が印刷から発送までしてくれる。

差出人控えも郵便局が差出人に発送してくれる。

〇利用するのに登録が不要。

×郵便窓口に行く必要がある。

×待ち時間が長い。

△電子内容証明より少し高い。

×3部印刷して持参する必要がある。

×封筒を用意する必要がある。

×押印する必要がある。

〇押印することができる。

△内容証明料金は、現金決済か料金後納

×初回利用は、登録する手間がかかる。

〇郵便窓口に行く必要がない。

〇待ち時間がない。

〇リアル内容証明より少し安い。

〇1通も印刷する必要がない。

〇封筒を用意する必要がない。

〇押印する必要がない。

×押印することができない。

〇内容証明料金は、クレジットか料金後納

〇押印し、封筒表面には「内容証明」と朱書きするので受取人を威圧できる。 ×押印もなく、グレーの封筒で来るので、受取人を威圧できない。
●相手方が一般の方のときに効果発揮 ●意思表示を証拠として残したいとき向け

電子内容証明を、複数人連名で出す場合


  1. 相手方が受け取らなかったときには、「差出人の筆頭に記載された方」に返送されます。
  2. 差出人控え(謄本)は「差出人の筆頭に記載された方」のみに送付されます。
  3. 配達証明は、「差出人の筆頭に記載された方」のみに送付されます。

 

下のリアル内容証明のような処理は不要です。

リアル内容証明を、複数人連名で出す場合


方法は、二つあります。

方法その1:内容証明本文に記載した差出人全員の住所・氏名を封筒(裏面)に書く方法

  1. 複数人でも2~3人で出す場合には、可能でしょうが・・・10人も15人も連名の場合には、封筒(裏面)に書き切れないので、この方法は採用できません。
  2. 配達証明も、差出人の誰に送付するかを郵便局が決めますので、オススメできません。

方法その2:内容証明本文に記載した差出人のうち一人を封筒(裏面)に書く方法

【内容証明本文の注意事項】

下の見本は、見やすいように罫線を入れましたが、実際には不要です。
内容証明郵便が受け取られないときや、配達証明の返送先を指定できます。

  • 印刷する3部のうち2部について。【2】に返送先住所、【3】に返送先氏名を記載します。内容証明本文に肩書きを記載していても、ここには記載しません。この2部は、郵便局控えと差出人控えです。また、付記した文字数は字数又は枚数には算入しません。
  • 印刷する3部のうち1部について。【2】【3】に何も記載しません。この1部は、相手方に郵送されるものです。
  • 【1】には、郵便局が単に「付記」と記載します。ここでの「付記」は返送先の意味です。
  • 押印について。差出人の名前の後ろの押印は、全員が押しても、一人だけ押しても大丈夫です。頁間の契印や捨印も(名前の後ろに全員が押印した場合も含め)一人だけで大丈夫です。
  • 一方、付記事項【3】の氏名の後ろには押印しません。

【封筒の注意事項】

封筒裏面には、【2】【3】に記載したのと全く同様に、返送先の住所・氏名を記載します。

                       
                           
  殿                        
           

             
                                       
           

             
                                       
           

             
                                       
                                 
 
                                   

 

 

 

 

 

 

                     

                                 

                                 

後日、効力を争われないよう委任状を取得しておきましょう。


連名で出した他の差出人から「無断で名前を使われた」などと言われないように、委任状を取得しておきましょう。実印を押印してもらい、印鑑証明書も添付してもらうのがベストです。

委任状には形式はありませんが、実際に提出する内容証明を裏面に印刷しておくと、契印が不要になり、便利です。