ややこしいようで、簡単な「どこまで細かく登記するのか」「どこまで住所を省略できるか」ルールについて解説します。
会社本店と社長住所は、登記されている理由が異なります。それを理解すれば自ずと貴社の場合に「どこまで細かく登記するのか」「どこまで住所を省略できるか」は明らかになります。
会社の本店を「どこまで細かく登記するか」を決める場合には、次の二つの要請を満たすものが良いです。
●居住用マンションの場合、集合ポストなど会社名を表示できるか?
☛表示できるのであれば、細かく登記する必要はありません。
☛表示できないのであれば、号室まで登記する必要があります。
●事業用ビル(テナントビル)の場合、ビル名は入れるべきではありません。
☛ビルが売却されて所有者が変わると、ビル名も変更されることがよくあるからです。
●SOHO【1】の場合、運営会社が薦める表記方法に合わせるべきです。
☛SOHOの場合、ビルエントランスの案内には、貴社名は表示されませんので、郵便物が届くようにするためには、運営会社が薦める表記方法「〇〇(SOHOの名称)内」や「号室」を行なう必要があります。
【1】ビルやテナントが、小商い事業者に対して本店住所としてテナントの住所を提供することです。
本店移転登記が完了しても、郵便物は自動的に新本店所在地に転送されません。
・取引先には、案内状を送付して移転をお知らせください。
・ホームページの表記も変更する必要があります。
・郵便局に郵便物の転送も依頼しておきます(コチラからインターネットで手続き可能です。〔郵便局HP〕)
会社の本店の表記とは異なり、郵便物が届く必要はありません。
社長の自宅は、法人責任者がどこの誰かを(主に民事訴訟の場合などに)明らかにするために公示するためのものです。
プライバシーを保護する必要もありますので、許容される範囲で省略することをお薦めします。
印鑑証明書の記載から、登記で許容される住所が決まります。
そして、印鑑証明書の記載には、次の二通りがあります。
印鑑証明書の記載 | 登記で許容される住所(〇=可能、×=不可) | |
神戸市灘区鹿ノ下通二丁目4番15号 あなまちタワー1004号 |
左記のまま | 〇 |
神戸市灘区鹿ノ下通二丁目4番15号 (マンション名・部屋番号を省略) |
〇 | |
神戸市灘区鹿ノ下通二丁目4番15-1004号 (マンション・ビル名が入らないパターン) |
左記のまま | 〇 |
神戸市灘区鹿ノ下通二丁目4番15号 (「-1004」を省略) |
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