セミナー参加者の募集をウェブ上で行なうときの注意点


コロナ禍で盛んになったものの一つにWebセミナーがあります。

Webセミナーでは、集客をネット上で行なうのが通常です。Webセミナーをネット上で集客する場合の注意点をまとめました。

もくじ
  1. セミナー参加をWeb上で呼び掛けるときに適用されうる法律とは?
  2. 無料セミナーにした場合、法の適用に違いはあるか?
  3. 受講者を事業者に限定して募集した場合、法の適用に違いはあるか?
  4. 明示すべき事項
    1. 特定商取引法に基づく表記
    2. キャンセル規定
    3. クーリング・オフ規定
    4. 振込先口座はどの段階で指定すべきか
    5. 領収書の発行に関する規定
    6. 個人情報の利用に関する規定
    7. いつ契約が成立したとするか?
    8. 注文確定前の確認画面の設置
  5. 先払のときに送付書面で通知すべき事項
  6. 入力いただく情報を設定する際に注意すべき事項
  7. 司法書士の報酬・費用
  8. 人気の関連ページ

セミナー参加をウェブ上で呼び掛けるときに適用されうる法律とは?


これだけの法律が関係します。

セミナー主催者はすべての法令に違反しないように注意する必要があります。

略称(あかさたな順) 正式名称
割賦販売法 割賦販売法
景品表示法  不当景品類及び不当表示防止法
個人情報保護法 個人情報の保護に関する法律
資金決済法 資金決済に関する法律
通則法 法の適用に関する通則法
電子契約法 電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律
特定商取引法 特定商取引に関する法律
特定電子メール法 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
独占禁止法 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
不正アクセス禁止法 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
プロバイダ責任制限法  特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
民法 民法
預金者保護法

偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律

シチュエーションごとに適用される法律はどうなっているのか?わかりませんよね。

 

でも、安心してください。経済産業省が作成した解説(電子商取引及び情報財取引等に関する準則)があります。ただ、解説なので、法律よりも分量が多いです。そこで、この記事では、セミナー募集だけを取上げて、法律にのっとったセミナー募集ができるようサポートいたします。


【1】電子商取引等に関する様々な法的問題点について、民法その他の法律がどのように適用されるのか、経済産業省の解釈を示したのが、この準則です(あくまで「法令」ではありません。)。

個別具体的な事例において現行法がどのように解釈適用されるのかを最終的に判断するのは裁判所ですが、この準則も一つの法解釈の叩き台として重要です。

 

準則のもくじは次のとおりですので、気になる項目をチェックしましょう。

Ⅰ章 電子商取引に関する論点

Ⅱ章 インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点 

Ⅲ章 情報財の取引等に関する論点

Ⅳ章 国境を越えた取引等に関する論点 (国際裁判管轄及び適用される法規に関して) 

電子商取引及び情報財取引等に関する準則(経済産業省HP)

無料セミナーにした場合、違いはあるか?


無料セミナーである場合には、幾つかの法律は適用されません。

もっとも、無料であると安心して適当な勧誘をしていたら、思わぬ落とし穴から争いになる可能性もあります。そして、争いになると無用な出費を生じますので、無料セミナーの募集をする場合でも、有料セミナーに準拠した取扱いを心掛けるべきです。

受講者を事業者に限定して募集した場合、違いはあるか?

セミナー受講生が事業者・消費者で違いはあるか?


セミナー受講生を事業者に限定した場合、特定商取引法・消費者契約法・割賦販売法など幾つかの法律は適用されません。

もっとも事業者性が争いになることもあり得ますし、争いになると無用な出費を生じますので、事業者に限定して募集をかける場合であっても、消費者に準拠した取扱いを心掛けるべきです。

明示すべき事項


特定商取引法に基づく表記

特定商取引法11条、特定商取引に関する法律施行規則8条により次の表記が必要です。

  1. 商品・サービスの価格(送料)
  2. 代金を支払う時期と方法
  3. 商品の引渡時期、サービスの提供時期
  4. 商品若しくは特定権利のクーリングオフ、解除、返品に関する事項【1】
  5. 販売事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
  6. 販売事業者が法人の場合でインターネット広告をする場合には、当該販売業者又は役務提供事業者の代表者又は通信販売業務責任者の氏名
  7. 申込みの有効期限があるときは、その期限
  8. 商品・サービスの価格・送料以外に購入者が負担すべき料金がある場合はその料金(振込手数料など)
  9. 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
  10. ソフトウェアを販売するときは、ソフトウェアを利用するために必要なパソコンの仕様及び性能その他の必要な条件
  11. 商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件
  12. 商品の販売数量制限その他の特別な販売条件があるときは、その内容
  13. 広告を一部省略した際に、請求によりカタログなどを送付する場合、それが有料ならばその価格
  14. 電子メールによる広告をするときは、販売事業者の電子メールアドレス

【1】次に該当する場合には、その事項も記載が必要です。

  1. 第15条の3第1項ただし書に規定する特約(クーリングオフに関する特約)がある場合にはその内容
  2. 第26条第2項の規定の適用がある場合(会社法その他の法律により詐欺又は強迫を理由として取消しできないとされている株式若しくは出資の引受け又は基金の拠出としてされた特定権利の販売で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当している場合で、第9条から第9条の3まで、第15条の3及び第24条から第24条の3までの規定は、適用しない。)には同項の規定に関する事項を含む。)

キャンセル規定

キャンセル料に関する規定は、年14.6%を超過しないこと(消費者契約法9)。

クーリング・オフ規定

クーリング・オフに関する規定は、法律どおり定めておかないと、クーリング・オフ期間が進行しない(申込者はいつまで経ってもクーリング・オフできる)という事態を招きますので、ご注意ください。

振込先口座はどの段階で指定すべきか

振込先金融機関を指定するのは、セミナー参加募集画面ではなく、申込者のみに表示される画面または応答メールにすべきです。

振込先金融機関は、貴社の取引銀行でしょうし、その情報は広く公開されるべき情報ではありません。募集画面は万人が見ることができる情報であり、ネット上に一旦広く公開してしまうと消すことができません。

領収書の発行に関する規定

料金を支払った場合には、領収書の交付を求めることができます(民法486)。この規定は任意規定ですので、領収書を発行しない場合には、次のように明示しておく必要があります。

領収書の発行は行ないません。お振込みされた時に受け取られた銀行からの「振込明細書」等をご保管ください。

個人情報の利用に関する規定

セミナー参加者に後日DMなどを送りたいときには、申込画面に次のようなチェックボックスを設ける必要があります(オプトインの原則。特定電子メール法、特定商取引法)。

 □ お知らせメールを送信して良い

いつ契約が成立したとするかを明示

契約は、買いたいという「申込」と、売りたいという「承諾」が一致すれば、有効に成立します。

 

通信販売(インターネット上の取引)の場合、次のようなプロセスで契約が成立します。

①広告(事業者から消費者への契約申込みの誘引)

②消費者の申込み(消費者から事業者への申込み)

③事業者のレスポンスは「承諾=契約成立」又は「申込みの受領=契約は未だ成立せず」

 

契約が有効に成立した場合、事業者は消費者に対して商品・サービスを提供する義務が発生しますので、特に①受講人数に制限のあるセミナー、②数量限定の商品、③消費者の注文を確認してから製造する場合(発注する場合)などには、消費者が「注文するボタン」を押下げただけで契約が成立しないように注意が必要です。

 

具体的には、次のような対応を行ないます。

  1. 「注文を確定するボタン」の横に目立つように、次のような注意書きを明記します。「『注文を確定する』ボタンを押してご注文いただくことで、お客様は当社へ注文を申込みしたことになり、当社からの正式な承諾通知メールをもって契約が成立したことになります。」
  2. 自動返信メールは次のような文言にします「本メールは受信確認メールであり、承諾通知ではありません。在庫を確認のうえ、受注が可能な場合には改めて正式な承諾通知をお送りします。」

注文確定前の確認画面の設置

電子消費者契約法は、事業者が注文内容を確認して訂正できる画面を設けるなど、事業者が操作ミスを防止するための措置(例えば、入力完了後、確認画面を設けるなど)を講じていないときは、消費者に数字の入力ミスなど重大な過失があっても契約を無効とすることができる旨規定しています(電子消費者契約法3)。

 

消費者であっても次のような場合には、電子消費者契約法の保護を受けられませんのでご注意ください。

  • 個人間の取引(例えば、ネットオークション)の場合
  • 事業者が画面に表示した手続きに従うのではなく自分で電子メールを書いて申し込んだ場合

先払のときの送付書面に記載すべき事項


受講料をセミナー実施よりも先に貰うのか(通常は実施前です。)なども決定し、先払の場合には、次の事項を書面またはメールしなければなりません(特定商取引法13、特定商取引に関する法律施行規則12、13)。

お金を払ったけれども、座席数・商品が不足しており提供できないということを防止するための規定です。

  1. 申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(商品代金・サービス対価の受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)
  2. 販売事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
  3. 受領した金銭の額及びそれ以前に受領した金銭があるときはその合計額
  4. 金銭を受領した年月日
  5. 申込みを受けた商品名及びその数量、権利・サービスの種類
  6. 申込みを承諾するときは、その商品引渡時期、権利移転時期、サービス提供時期
  7. 申込みを承諾しない旨を通知するときは、既に受領している金銭を直ちに返還する旨及びその方法
  8. 商品引渡時期、権利移転時期、サービス提供時期は期間又は期限をもつて表示すること。
  9. 書面は日本産業規格Z8305に規定する8ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いなければならない。

入力いただく情報を設定する際に注意すべき点


参加者氏名

当グループが過去行なった司法書士本職をターゲットとした広告では、運営の便宜のために次のような一文を入れておきました。

  1. 司法書士本職であることを確認するため登録名を記載ください(Twitterなどのアカ名での登録はできません。)。
  2. セミナー費用のお振込名、オンラインセミナー開催時のzoom表記と一致させてください。一致しない場合、退室をお願いする場合があります。

参加者ふりがな

受講者にも発言してもらう形式のセミナーである場合には、「ふりがな(お名前の読み方)」も入力いただくべきです。

参加者属性

セミナー当日までに、参加者を整理する必要があります。

司法書士本職をターゲットとしたセミナーでは、所属司法書士会(都道府県)を問いました。

参加者メールアドレスは、二回入力式に

セミナー参加者側からすれば面倒なメールアドレスですが、主宰者側になると意外と打ち間違いが多いことに気づきます。

二回入力式にしましょう。

参加者電話番号

受講生は個人情報の入力を嫌がる傾向がありますが、ZOOMセミナーなどリアル開催でない場合には、電話によるフォローも必要かと思います。

チャンネル・ルート

後日、同種セミナーを開催するために必要になります。

 〇 Twitter

 〇 Facebook

 〇 ホームページ

 〇 ブログ

 〇 紙チラシ

 〇 主催者からの電話・DM

 〇 その他_____________________

事前質問の募集

事前に質問を集めておくと、セミナーを盛り上げることができます。

自動返信メールの設定


自動返信メールには、送信上限が設定されていることもありますので、事前に確認しておきましょう。

せっかくの申込に対して、返信ができないようでは、申込された方が不安になります。

 

また、返信の内容については先払のときの送付書面に記載すべき事項にもご注意ください。

司法書士の報酬・費用


業務内容 司法書士の報酬
定型約款の作成 20万円(税別)

セミナー参加者の募集をWeb上で行なう場合の

申込み画面・付属画面フォーマットの作成

10万円(税別)~

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