帳簿や決算書(計算書類)の提出を求められたときの対応


商売をしていると、銀行や株主などから決算書を見せるよう要求されることがあります。

 

どの書類をどこまで見せれば良いのか?

会社法の観点からご説明します。


会計帳簿・計算書類・決算書の違いは?!


かいけいちょうぼ

会計帳簿

商売をしている個人・法人は、法律によって日々の現金預金の出入りを帳簿にしておくことが義務づけられています。

計算書類を作成するもとになる書類(会社計算規則59Ⅲ)

主要簿:仕訳帳、総勘定元帳

補助簿:現金出納帳、預金出納帳、仕入帳、売上帳、固定資産台帳

けいさんしょるい

計算書類

貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(会435、会社計算規則59Ⅰ)

決算書とほぼ同義。

CF.会計帳簿

けいさんしょるいなど

計算書類等

計算書類に「事業報告」「計算書類の附属明細書」「事業報告の附属明細書」を足したもの

けっさんしょ 

決算書

会計帳簿に基づいて、毎年決算期時点の数字を、会社と税理士が作成したもの。

計算書類とほど同義。

決算書は、取締役会、監査役、株主総会それぞれの承認を得て、税務署に提出する申告書の一部になります。

会計帳簿・計算書類の閲覧権者


情報の種類 法律に定められた閲覧する権利のある者

 

計算書類

     

①株主(会442Ⅲ)

・持株数、株式保有期間を問わず認められる。

②会社債権者(会442Ⅲ)

 

☛会社が任意に開示しないとき「計算書類の閲覧等請求仮処分」を検討する。

会計帳簿等

★営業秘密が含まれていることが多いので、請求権者を限定している。

・総株主(全議案につき議決権を有しない株主を除く)の議決権の3/100以上を有する株主(定款で下回る割合を定めたときはその割合)

・自己株式を除く発行済株式の3/100以上の数の株式を有する株主(定款で下回る割合を定めたときはその割合)

・持株数要件は、複数人が共同して満たしても良い。

・請求の理由を明らかにして(会433Ⅰ)

・債権者は閲覧を請求することができない。

・親会社の株主が、子会社の会計帳簿を閲覧するには裁判所の許可を要する(会433Ⅲ)

・会社が訴訟の当事者となっている場合には、相手方の申立又は裁判所の職権で会計帳簿の全部又は一部の提出を命じることができる(会434)

 

☛会社が任意に開示しないとき「会計帳簿等の閲覧等請求仮処分」を検討する。

会計帳簿を見ただけでは、分からないという場合

業務執行に関する検査役選任請求


情報の種類 法律に定められた閲覧する権利のある者
業務執行に関する検査役選任請求

★会計帳簿を見ただけではわからないという場合には、裁判所に検査役(会社内部に立ち入り、会社の業務・財産状況を調査する者)の選任を請求できる(会358)。

 

・不正行為、法令・定款違反の重大事実があると疑われるとき

・総株主(全議案につき議決権を有しない株主を除く)の議決権の3/100以上を有する株主(定款で下回る割合を定めたときはその割合)

・自己株式を除く発行済株式の3/100以上の数の株式を有する株主(定款で下回る割合を定めたときはその割合)

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