一般社団法人・公益社団法人の社員総会・理事会、一般財団法人・公益財団法人の評議員会・理事会における書面決議(決議省略・みなし決議)/書面による議決権行使/委任状出席


株式会社の(株主総会ー取締役会)とほとんど同じ仕組みを採用している一般社団法人の(社員総会ー理事会)。

それに比べて、独自の規制がある一般財団法人の(評議員会ー理事会)

徹底的に比較します。

 

「書面決議(みなし決議)」は、社員全員が議案に同意しているときに社員総会に集まって決議することを省略します。

 

名前のよく似ている「議決権行使書による議決権行使」は、社員総会は普通に開催することを前提にしています。そのうえで、欠席する社員は書面によって議決権を行使することができます。

 

似て非なる両手続を分かりやすく比較します。

書面決議/書面による議決権行使/委任状


 

書面決議=みなし決議

(一般法人法58・96・194・197)

書面による議決権行使

(一般法人法51)

委任状出席

(一般法人法50)

内容

物理的に集まって会議を開催しない。

議案・報告事項について全員が同意した場合には、会議開催を省略可能。

書面決議で良い旨の同意ではない。

議決権を行使出来る者全員の同意が必要なので、社員数・評議員数・理事数が極少ない法人向け。

物理的に集まって会議を開催する。

欠席する方は、書面によって議決権を行使できる。

 

 

 

物理的に集まって会議を開催する。

委任状をもらった代理人が出席する。

 

 

            

採否

【一般社団法人】

〇社員総会(一般法人法58)

△理事会【1】(一般法人法96)

 

 

【一般社団法人】

〇社員総会は、任意に議決権行使書による議決権行使を採用できる。

×理事会

【一般社団法人】

〇社員総会は、委任状出席を認めなければならない。

×理事会

         

【一般財団法人】

〇評議員会(一般法人法194) 

△理事会【1】(一般法人法197・96)

【一般財団法人】

×評議員会 

×理事会

【一般財団法人】

×評議員会 

×理事会 

【1】定款に「理事会の書面決議を認める」旨の定めが必要(一般法人法96・197)

一般社団法人法第96条(理事会の決議の省略)

理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。

書面による議決権行使/委任状の違い


株式会社の場合と全く同じです。

  書面による議決権行使 委任状出席
行使主体 議決権行使主体は、社員本人。

社員は議決権行使書面に必要な事項を記載し、原則として社員総会の日時の直前の営業時間の終了時までに提出して議決権行使する(一般法人法51、同施行規則8)

議決権行使主体は、代理人。

社員又は代理人は委任状を法人に提出しなければならない(一般法人法50)

 

 

記載事項

議決権行使書面の絶対的記載事項(規則7)

①各議案についての賛否欄

②議決権行使期限

③社員氏名、その有する議決権数

ほか

委任状の絶対的記載事項(一般法人法50、民法99)

最低限、委任者が受任者に対して特定の社員総会における議決権の行使を委任する旨の記載があればよい。

 

決定時期 社員総会招集決定の際に、社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときはその旨も定める(一般法人法38Ⅰ③)。 社員が社員総会に代理人を出席させる権利は一般法人法で定められているため、議決権行使書面の場合のように招集決定と別に委任状出席を認める旨を決議する必要はない(一般法人法50、同法38Ⅰ③参照)。
発送時期 社員総会の日の2週間前までに、招集通知を発しなければならない(一般法人法39)。 社員総会の日の1週間前までに、招集通知を発しなければならない(一般法人法39)。
参考書類

社員総会参考書類が必要(一般法人法41、規則5以下)

社員総会参考書類は不要。

事後備置

議決権行使書を

社員総会の日から3か月間主たる事務所に備え置かなければならない(一般法人法51Ⅲ)。

委任状を

社員総会の日から3か月間主たる事務所に備え置かなければならない(一般法人法50Ⅴ)。

 

 

社員総会議事録本体は、主たる事務所に社員総会の日から10年間備え置き、従たる事務所に写しを5年間備え置き(一般法人法57ⅡⅢ)

書面決議(=みなし決議)の流れ


社員総会に会議の目的たる事項を提案できるのは、理事と社員です。

ここでは、理事からの提案の場合の流れをご紹介します。

理事会を開催

社員総会へ報告すべき事項・承認を得るべき議案をまとめる。

書面決議(社員総会の省略)を可決

代表理事から全社員へ通知

次のような提案書・同意書・(貴社宛)返信用封筒を送付します。

  令和年月日
社員各位  
 

神戸市灘区鹿ノ下通二丁目〇番〇〇号

一般社団法人〇〇〇〇

代表理事 □□□□

第〇回定時社員総会 提案書

当法人は、社員の皆様の社員総会への出席のご負担を考慮し、第〇回定時社員総会の開催を省略したいと考えております。

当法人が社員総会に報告すべき事項については下記「報告を省略する報告事項」欄記載のとおりです。また、当法人が提案する社員総会の目的である事項については、下記「決議を省略する決議事項」欄記載のとおりです。

社員の皆様におかれましては、当法人提案及び報告事項の省略に同意いただけます場合には、別紙同意書に必要事項をご記入のうえ、当法人宛ご返送(ご返送期限:令和年月日)をお願いいたします。

 

なお、提案について社員の皆様全員の同意が得られた場合には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第58条及び第59条に基づき、社員総会の決議及び社員総会への報告があったものとみなされ、社員総会を開催することはいたしません。

(報告を省略する報告事項)

1.定時社員総会を本来開催すべき時期に開催できなかった理由は、新型コロナウィルスによる感染拡大を防止するために複数人で参集する集会は出来るだけ開催しないようにするようにとの政府方針に従っていたためであります。【1】

2.当期事業報告の件(別紙「事業報告書」記載のとおり)

3.監査報告(別紙「監査報告書」記載のとおり)

(決議を省略する決議事項)

1.第〇期貸借対照表及び損益計算書承認の件(別紙「〇〇」記載のとおり)

2.定款変更の件

・・・・・

3.理事1名選任の件

・・・・・

【1】選任懈怠による過料発生を抑止するために記載します。

  令和  年  月  日
一般社団法人〇〇〇〇 御中   
 

 

社員様のお名前           (印)

同意書
私は、下記事項の報告を省略すること及び決議事項に関する法人提案について本書により同意する。
※ 上記提案書の【記】以下と同様に表示する。

全社員から同意書が返送される。

最後の社員からの同意書を法人が受け取った日が、社員総会決議の日となります。

社員総会議事録を作成

定時社員総会議事録
社員総会の決議があったものとみなされた日  令和年月日
社員総会の決議があったものとみなされた事項の提案をした理事 理事〇〇〇〇
議決権ある当法人社員数 〇名
この議決権数

〇個

(報告を省略した報告事項)

1.当期事業報告の件(別紙「事業報告書」記載のとおり)

2.監査報告(別紙「監査報告書」記載のとおり)

(決議を省略した決議事項)

第1号議案 第〇期貸借対照表及び損益計算書承認の件

・・・・・

第2号議案 定款変更の件

・・・・・

第3号議案 理事1名選任の件

・・・・・

令和年月日、理事〇〇は社員全員に対して上記社員総会の報告及び決議の目的である事項について提案書を発送し、当該提案について、年月日社員全員から書面により同意の意思表示を得たので、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第58条の規定に基づき当該提案を可決する旨の社員総会への報告及び社員総会の決議があったものとみなされた。

上記のとおり社員総会への報告の省略及び社員総会の決議の省略を行なったので、これを明確にするため、この議事録を作成し、理事全員がこれに記名押印する。

令和年月日  
一般社団法人〇〇〇〇定時社員総会  
 

代表理事〇〇〇〇

(議事録作成者)

理事 ××××

理事 □□ □

理事 △△△△

(必要に応じて)登記申請

社員総会議事録・全社員の同意書を保管

  1. 社員総会議事録原本を主たる事務所において10年間、
  2. その写しを従たる事務所において5年間(一般法人法57ⅡⅢ)
  3. 全社員の同意書原本を主たる事務所において10年間(一般法人法58)

保管し、社員・債権者の閲覧請求に対応する必要がある(一般法人法57Ⅳ)。

標準的な所要時間


法人作成書類の精査(招集通知・委任状・議決権行使書面など)

作業内容

所要時間

法人様→司法書士:文案をメール送信いただいてから

司法書士→企業様:見積書呈示まで

1~2日

法人様→司法書士:見積書承諾から

司法書士→企業様:内容精査し修正案送付まで

1週間

司法書士の報酬・費用


貴社予算に応じてご提案いたします。

顧問契約を締結いただいている場合、割引きがございます。

業務の種類

司法書士の報酬・手数料

【1】

実費

法人作成書類の精査

(招集通知・委任状・議決権行使書面など)

30,000円(税別)~

 

招集通知原案作成

招集通知発送代行

発送報告書

30,000円(税別)/議案

+社員数×1,000円(税別)

社員数×特定記録郵便費用
社員総会シナリオ作成 50,000円(税別)~  
社員総会想定問答集作成 50,000円(税別)~  
社員総会予行演習 50,000円(税別)~  
社員総会受付事務 10,000円(税別)~  
社員総会立会い(総会事務局担当) 100,000円(税別)~  
社員総会議事録作成 10,000円(税別)~ 【2】
理事会議事録作成 10,000円(税別)~  
登記申請 コチラをご覧ください。  
日当【3】 10,000円(税別)~  

【1】司法書士報酬・手数料は、議案の種類・数、社員の数により加算いたします。

【2】社員から提訴を受ける可能性が高い場合や、録音反訳を要するような長時間にわたる社員総会の場合には、反訳会社に反訳文を外注しますので、実費をご負担ください。

【3】上記業務を事務所外で行なう場合で、移動時間が片道1時間を超える場合

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「難しい案件しか、やってくれへんのんちゃうん?」と言われたことありますが、そんなことありませんので(笑)

難しい仕事も出来るってだけです。

 

簡単そうでも、小さなお悩みでも、何でもどうぞ!