【図解】監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社


会社法は、不特定多数の株主が存在する公開会社かつ大会社に対して、株主の権利を守るために、機関設計に関して、以下のルールを設けています。

⑴ 取締役会を必ず置く

⑵ 会計監査人(監査法人)を必ず置く

⑶ 以下の3つの制度(機関設計)のいずれかを採用する

  1. 監査役会設置会社
  2. 監査等委員会設置会社
  3. 指名委員会等設置会社

 

当グループでも、機関設計のお手伝いをさせていだきます。

お決めいただくに際しては、各制度のメリット・デメリットについて詳しくご説明します。

 

上場検討中の企業のお役に立てれば幸いです。

1.監査役会設置会社


もっとも古くから我が国にある制度で、3名以上の監査役で構成する監査役会を設置します。

監査役は、3名以上必要で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければなりません(会335Ⅲ)。

最低限必要な社外役員の数

社外監査役2名

社外取締役1名(会327の2)

会社法327条の2(社外取締役を置いていない場合の理由の開示)
事業年度の末日において監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第24条第1項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものが社外取締役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない。 

2.監査等委員会設置会社


概要

過半数の社外取締役を含む取締役3名以上で構成される監査等委員会が、取締役の職務執行の監査を担います。

制度を導入した会社は、監査役・監査役会を置くことができません。

制度導入

2015(平成27)年5月1日施行の改正会社法により「監査役会設置会社」と「指名委員会等設置会社」の中間的性格を帯びた第三の会社形態として導入されました。

最低限必要な社外役員の数

社外取締役2名

メリット

監査役会設置会社と指名委員会等設置会社の中間的性格を帯びた第三の会社形態として、上場会社の間で急速に広まりつつあります。

3.指名委員会等設置会社(旧・委員会設置会社)


機関の相関図

指名委員会等設置会社(旧・委員会設置会社)の機関相関図200505
指名委員会等設置会社(旧・委員会設置会社)の機関相関図200505

【1】指名委員会は、取締役・会計参与の候補を決定し、株主総会に提出する。

【2】報酬委員会は、取締役・執行役・会計参与一人ずつの報酬を決定する。

【3】監査委員会は、取締役・執行役・会計参与の職務の執行を監査する。

概要(経営と執行の明確な分離)

 

経営(意思決定+業務執行監督)機関=取締役会と各委員会(各委員会は取締役会の下部組織ではなく、委員会での決定は取締役会とは独立した最終的なもの)
  経営の基本方針の決定(会416Ⅰ①)
 

 

 

指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会の委員を取締役の中から選定する(会400Ⅱ)。別個の委員会(例えば訴訟委員会や顧客対応委員会など)を追加してもよい。

各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければならない(会400)。

  各委員会の委員の解職(会401Ⅰ)
  執行役の選任(会402Ⅱ)
  執行役の解任(会403)
 

 

監査役は置くことが出来ず(会327Ⅳ)、取締役会の下に監査委員会が置かれる。

監査委員は執行役などと兼任できない(会400Ⅳ)

業務執行機関=執行役
   

業務執行は執行役が行ない、会社の代表権は代表執行役が有する(会420)。

取締役は業務執行権をもたず、取締役に任意に業務執行権限を与えることもできない(会415)。ただし、監査委員以外の取締役は執行役との兼任は許される(会402Ⅵ、400Ⅳ)。

    取締役は、あくまで取締役会の構成員として会社の業務に関する意思決定に参加すること、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の各委員として自己の担当する委員会の意思決定に参加することができるのみである。
           

制度導入時期

2003(平成15)年4月商法特例法改正により導入されました。

最低限必要な社外役員の数

各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければなりません(会400Ⅲ)。

各委員会は、委員3人以上(会400Ⅰ)。

法定された委員会は、指名・報酬・監査の3委員会。

そしたら、社外取締役6名も必要なのかと思われるかもしれませんが・・・

各委員会の委員相互の兼任禁止規定はありません。

各委員会の委員数を最低3名とすれば、社外取締役を2名選任し、その2名に全委員会を兼務させれば足ります。

メリット

1.業務執行と監督の明確な分離。

2.監査役会の監督権限の脆弱性の補強。

デメリット

1.大量の社外取締役が必要。

2.プロ経営者が少ない日本の経営者市場で、大量の社外取締役の確保が困難。

3.社外取締役に人事権・報酬決定権を委ねることに対する抵抗。

取締役会から執行役への委任の可否

委任不可な事項 委任できる事項

①経営の基本方針(会416Ⅰ①イ)

②内部統制システムの構築(会416Ⅰ①ロホ)

③執行役が二人以上ある場合における執行役の職務分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項(会416Ⅰ①ハ)

④執行役による取締役会の招集の請求を受ける取締役(会416Ⅰ①ニ)

⑤執行役等の職務執行の監督(会416Ⅰ②)

                    

【会416Ⅳ但書の事項】

④株主総会の招集

⑤株主総会提出議案(取締役などの選任・解任議案を除く)

⑥取締役・執行役の利益相反取引・競業取引の承認

⑧委員の選定・解職

⑨執行役の選任・解任

⑩会社と監査委員との間の訴えについての会社代表者決定

⑪代表執行役の選定・解職

⑫定款の定めある場合の役員等の損害賠償責任の一部免除決定

⑬計算書類等の承認

⑭中間配当の決定

⑮~⑲事業譲渡・合併契約・吸収分割契約・新設分割計画・株式交換契約の内容の決定。ただし、いずれも株主総会の承認を要しないものを除く。

①重要な財産の処分・譲受、多額の借財

②支配人・重要な使用人の選解任、視点・重要な組織の設置など

③取得条項付株式・取得条項付新株予約権の取得などにカンする決定

④自己株式・自己新株予約権の消却

⑤株式の分割・株式無償割当、新株予約権無償割当

⑥公開会社における募集株式・新株予約権の募集事項の決定など

⑦社債の募集にカンする事項の決定

⑧簡易・略式組織再編

 

 

 

 

 

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