中小零細企業・個人事業主にとって知的財産は、ほど遠い印象があるかもしれません。
しかしながら、知的財産は、事業規模に関係なく非常に大切なものです。
例えば、知的財産は
したがって、中小企業経営者・幹部の皆さんは、知的財産が何なのかをボンヤリとでも把握し、 必要に応じて然るべき専門家にご相談・ご依頼をなさるべきです。
知的財産の専門家は、司法書士ではなく、弁理士です。ところが、貴社が獲得すべき知的財産の種類などによって、どの弁理士が良いか異なります。
そこで、当グループでは、主に顧問先・関与先の皆様を中心に、皆様の会話の中から登録すべき知的財産がないのか常に目を光らせて、知的財産の登録機会を逃さず、貴社の発明に適した弁理士をご紹介しています。
もくじ | |
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〔凡例〕この記事では、次のとおり略記しています。
知的:知的財産基本法
著:著作権法
特許:特許法
実用:実用新案法
意匠:意匠法
商標:商標法
下記5つの権利を指します。
思い当たる方は、是非、ご一報ください。
権利の名前 | 保護の対象 | 権利の発生 | 存続期間 |
著作権 | 音楽、映画、絵画 | 創ったとき | 創ったとき~著作者死後70年 |
特許権 | 発明 | 登録 | 出願~20年 |
実用新案権 | 特許よりも水準の低い発明 | 登録 | 出願~10年 |
意匠権 | デザイン【1】 | 登録 | 登録~20年 |
商標権 | 商品やサービスの名称【2】 | 登録 |
登録~10年。何度でも更新可能 |
【1】平成32年以降「建築物」や「内装のデザイン」も登録することができるようになりました。
などが登録されています。
【2】平成27年以降「色彩のみからなる商標」も登録することができるようになりました。セブンイレブンや三井住友銀行などが取得しています。
著作権 (財産権)
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著作物を他人に利用させて、利用料などを貰える権利(財産権) ▼ 他人に譲渡できる。 |
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著作権の種類 | 著作権の内容 | |
複製権(著21) | コピーする権利 | |
上演権・演奏権・上映権(著22、22の2) | 人前で演じたり、上映する権利 | |
公衆送信権(著23) | テレビ・ラジオなどで送信する権利 | |
口述権(著24) | 公に口述する権利 | |
展示権(著25) | 展示する権利 | |
頒布権(著26) | 他人に渡したりして広げる権利 | |
譲渡権(著26の2) | 売却する権利 | |
貸与権(著26の3) | 貸し出す権利 | |
翻訳権【1】 編曲権 変形権 脚色権 映画化権 翻案権【1】 (以上、著27) |
翻訳する、編曲する、映画化する、翻案する権利 ☛翻訳・映画化された物を「二次的著作物」という。 ☛二次的著作物に対しては、二次的著作者にくわえて、原作者も著作権を有する。 |
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二次的著作物に対する権利(著28) | ||
著作者 人格権 |
著作者の名誉を守る権利(人格権) ▼ 他人に譲渡できない。 ▼ 著作権を譲受したのに、著作者人格権を主張されないようにするためには、「著作者人格権を行使しない。」との契約が必要。 |
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人格権の種類 | 人格権の内容 | |
⑴公表権(著18Ⅰ) | 著作物の公表の時期、方法を決める権利 | |
⑵氏名表示権(著19Ⅰ) |
著作物に 著作権表示をするかしないか、 実名を表示するかペンネームにするか 決める権利 |
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⑶同一性保持権(著20Ⅰ) | 著作物を無断で改変されない権利 | |
⑷名誉を害する利用を禁止する権利(著113Ⅵ) |
【1】
翻訳権とは、別の言語に翻訳する権利。
翻案権とは、元の著作物の特徴を活かしながら、別の表現形態に変えたり(たとえば漫画を映画化すること)、一部を変更して別の作品を創作すること(例えばスピンオフ作品の創作)です。
仕組み |
登録までの 期間 |
弁理士の 費用 |
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特許 | 審査【1】を通って、はじめて特許となる。 | 2~3年 | 60万円 |
実用新案 |
無審査で登録される。 先に登録されていても、登録できる。 侵害されたときに、申立てによって、審査官が審査し、評価書をくれる。 評価書で6番と評価されれば、評価書と警告書を同時に相手方に送付する。 |
3か月 | 30万円 |
【1】審査されるのは、次の2点です。
⑴ 新規性:全く新しいモノか、世界中のモノと比較し、チェックされます。出願されていても、販売されていてもダメです。また、チェックは世界中のモノと比較されますが、登録は日本だけになります。世界で登録したければ、国際出願が必要です。
⑵ 進歩性:既にあるモノを組み合わせただけじゃないか?審査官に指摘されたときに反論できるのは、最初の出願の範囲内のみというルールがあります。従って、最初の出願のときに、様々なバリエーションを提出するべきです。
お客様 | 弁理士 |
特許を出願したい発明を弁理士に説明 | |
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発明のバリエーションを考え、 弁理士に説明 |
説明を受けた発明が新規性・進歩性 のあるものかを調査 |
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▼ | 特許庁に出願 |
出願後、発表する【1】 | ▼ |
発明が売れるものか、試す | 3年後 |
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審査請求を弁理士に依頼 | 審査請求 |
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特許が登録される |
【1】出願までは、外部に一切情報が漏れないように(持ち歩いたり、HPへの掲載も不可です。)、ご注意ください。出願までにその発明が世に出ていたことが特許庁に知られると、特許が認められないことがあります。
当グループが、主に顧問先・取引先の皆様に関して提供する「知的財産保護の取り組み」は次のとおりです。
問題的など | 当グループでの対応 |
中小企業にとって、知的財産をキッチリと登録したり、管理したりするのは、とても重要! 知的財産は、お金になる可能性があるからです!
でも、知的財産管理のために、弁理士を常駐させる企業は少ない。。。 |
【登録機会を逃さない】
① 常日頃接する顧問先や関与先の皆様とお話しする中で、 ② 貴社が登録しておくべき知的財産の種を発見した場合には、 ③ すばやく知的財産の専門家・弁理士におつなぎすることで、 ④ 貴社の知的財産をガッチリ保護し、 ⑤ 登録機会を逃しません。 |
M&A、企業法務などでも、知的財産に対するケアは重要。 |
【契約書精査】 契約書精査では、知的財産にも気を遣います。 |
知的財産の侵害に対しては、民事上の損害賠償のほか、罰則もございます。 |
【知的財産侵害】 顧問先や関与先が、知的財産侵害をして、ペナルティーを受けないように、しっかりと見守ります。 |
どの弁理士に依頼すれば良いか、わからない。 |
【弁理士を紹介】 貴社の案件に最適な弁理士をご紹介します。 |
有名な発明なのに、特許を取得していなかったために、巨富を稼ぎ損ねたものに「カラオケ」や「石焼きピビンバの石」があります。
一方、フランチャイズ本部なのに、サービス名称を商標登録していなかったために、フランチャイズとは無縁の他者が、同様のサービス名称を利用し、トラブルになった例もあります。
このように、中小企業も知的財産と無縁ではないのです。必要なものは登録し、保有する知的財産が他者から侵害された場合には、しかるべく措置を取ることも必要なのです。
当グループでは、顧問先・顧客の皆様の知的財産にも意識して気配りを行ない、しかるべきアドバイスを行ないます(令和元年8月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)。