ベンチャー・スタートアップ用語辞典


ベンチャー企業の設立や運営に関わっていると「カタカナ語」を多く聞きます。

投資家もカタカナ語を好んで使う傾向がありますので、ベンチャー・スタートアップ企業の経営者も覚える必要があります。

 

ただ、それらの多くが法律用語ではないので、定義付けが曖昧になっています。

そこで、ベンチャー用語の一般的な使われ方を説明します。「Ctrl」+「f」で検索ください。

なお、法律用語の解説については「法律用語集」をご確認ください。

アイアール

IR

Investor Relationsの略。投資家が投資判断するために必要な企業の財務状況等を公開すること。

アイピーオー

IPO

Initial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)

株式を上場すること。

アクセラレーター

シード段階を過ぎた企業の成長を「加速する」(アクセラレート)ことに焦点を当て、資金投資やノウハウ等でサポートする。

cf.インキュベーター

アーリー

上場を目指すベンチャー企業を成長に応じて4分類したステージの2番目の段階。

アールエム

RM

Relationship Management

証券会社の「営業とIPO全体を管理する部署」

アーンアウト

M&Aの対価を一括で支払わず、将来の業績変動に応じて支払う方法。企業価値算出が困難な場合等に利用する。

アントレプレナー

ゼロから起業して、革新的な製品・技術・アイデアを世に問い、新しい市場を切り開いていく創業者のこと。

イグジット

ベンチャー企業への投資を、その株式を売却することで取り戻すこと。EXIT(出口)
イノベーション 今まで無かった革新的な製品・技術・アイデアを作り出すこと。
インカムゲイン

株式から得られる二つの利益(配当益、売却益)のうち配当益のこと。

↔キャピタルゲイン 

インキュベーター

起業直後~シード以前のビジネスモデルや会社を構築することを目的とし、革新的なアイデアを「生み出す」(インキュベート)ことに焦点をあて、資金援助やノウハウ等でサポートする。

cf.アクセラレーター 

インサイダー(取引) 上場企業の内部の者(インサイダー)が、会社に関する未公表の情報を知っている状態で、その会社の株式を取引する行為。株式市場における公正な取引を害するため、インサイダー取引は金融商品取引法によって禁止されている。
インセンティブ

関係者のモチベーションを維持向上させるための動機。

仕事の成果に対して支払われる広い意味での報酬。

エクイティ 返済義務のない株主資本のこと。
エクイティ・ファイナンス

株式等を発行することにより行なう返済義務のない資金調達。

↔デット・ファイナンス

エグジット ベンチャー企業への投資を、その株式を売却することで取り戻すこと。EXIT(出口)

エスオー

SO

→ストック・オプション

エックスキ

X期

→申請期

X-1期

→直前期

X-2期

→直前前期

エヌキ

N期

→申請期

エヌマイナスイチ

N-1期

→直前期

エヌマイナスニ

N-2期

→直前前期

エヌディーエイ

NDA

秘密保持契約書

業務提携やM&Aの最初期に締結される。

エムアンドエイ

M&A

会社を丸々売買すること。

株式売買、事業譲渡、会社分割などのスキームがある。

エルエルシー

LLC

合同会社

エルエルピー

LLP

有限責任事業組合

エルピーエス

LPS

投資事業有限責任組合

エンジェル

創業期(シード、アーリー)に主に金銭面で支援してくれる個人投資家のこと。

エンジェル(天使)という名が付けられているが、中には悪質な投資家もいるため、投資を受け入れるには司法書士等への相談が必須。

cf.ベンチャーキャピタル(VC)、CVC

エンジェル税制

ベンチャーへの投資を促すために設けられた優遇税制。

個人投資家は投資時、株式売却時それぞれの時点で、税制上の優遇措置を受けることができる。

ベンチャー企業側が得をするものではない。

オーバーアロットメント

over allotment

企業が公募・売出しを実施する際において、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、主幹事証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売することをいいます。

(引用元:用語集/日本取引所グループ/最終アクセス220816)

オブザーバー

投資をして株式を保有すると、投資家自らが取締役となり又は投資家の部下・従業員を取締役として派遣することがよく行なわれます。ところが取締役になると責任と負担が発生するため、取締役への就任・派遣を嫌う投資家も存在します。そんな場合には、取締役会へオブザーバーとして参加する権利の付与を求められることもあります。

企業秘密についても話し合われる取締役会への部外者の参加を認めるか否かは慎重に検討すべきです。

オプション・バリュー

ストックオプションの価値

オープン・イノベーション

イノベーションに必要な情報や知識を社内外から調達すべきとする考え方。

社内のみから情報や知識を得ようと(逆に、情報や知識を社外に流出させないようにも)する従来の(クローズド)イノベーションとは対外的な接し方が大きく異なる。

ガバナンス →コーポレート・ガバナンス

ガーファ

GAFA

Google、Apple、Facebook、Amazonの4社。

ユニコーン企業の代表格で、いずれもプラットフォーマー。

キャッシュ・アウト

全く異なる下記二つの意味がある。

  1. 企業の現金が無くなっていくこと。
  2. 少数株主を現金対価にして強制的に会社から排除すること。スクイーズアウトと同義。
キャッシュ・フロー 手元資金(余裕)のこと。キャッシュ・フロー計算書で確認できる。
キャピタルゲイン 株式から得られる二つの利益(配当益、売却益)のうち売却益のこと。

↔インカムゲイン

クラウド 群衆・市民
クラウド・ファンディング

市民から直接資金を集める手法。

通常、ベンチャーは「クラウドファンディングサイト」に自社情報・製品情報・調達目標金額を掲載し、市民からの投資を促す。

投資の対価としては、株式ではなく、ベンチャーの製品が交付される。

投資額が、調達目標金額を達成すれば、サイト運営会社が手数料を控除した後、ベンチャーに投資額を支払う。

クリフ

ストックオプションを行使できない期間又はストックオプションが行使可能になる時期のこと。 

グリーンシューオプション オーバーアロットメントにより主幹事証券会社が投資家に販売した株券を借入先へ返却するに当たっての株券の調達方法の1つです。

販売後の市場価格が引受価額よりも高く推移している場合、主幹事証券会社は市場で株券を調達すると割高になってしまいますので、そのような場合、引受価額で株券を調達できるコールオプションを権利行使し、引受価額で株券を調達した上で借入先の株主に株券を返却することとなりますが、この引受価額で株券を調達できるコールオプションのことをグリーンシューオプションといいます。

(引用元:用語集/日本取引所グループ/最終アクセス220816)

公開引受部

証券会社の株式公開の準備を引き受ける部署。

企業内部に入り込み、株式公開のためのアドバイスを行う。

CF.上場審査部、RM(アールエム)

コーポレート・ガバナンス

不祥事を予防し、投資を最大化するための会社経営の仕組み。

社外取締役として司法書士の○○氏を加える等。

投資家への説明を要求される。

コーポレート・ガバナンス・コード 東京証券取引所と金融庁が共同して定めた「上場企業の実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたもの」
コールオプション

取得条項(会社が株主に対して株主の持株を会社が取得することを請求できる権利を付与した条項)。

優先株を取得して普通株を交付するために利用されることが多い。

コンプライアンス

法令遵守。企業がかかわる全ての企業・個人との間でトラブルを発生させないようにルールを守った経営をすること。

ここでのルールとは、「法律」に限らず「企業であれば、当然、これ位の基準で仕事しているよね」という曖昧な基準です。

シーイーオー

CEO

最高経営責任者

シーオーオー

COO

最高執行責任者。経営に関する意思決定と、その決定の実行(執行)が分かれている企業において、執行を行う最高責任者。

シーエフオー

CFO

最高財務責任者

シーティーオー

CTO

最高技術責任者

ジェイキス

J-KISS

有償新株予約権を用いた投資契約書(500 Startups Japanが無料公開している。)。シード期に発行され、順調に成長し、シリーズAに移行した時に、A種優先株式に転換される。
シード  上場を目指すベンチャー企業を成長に応じて4分類したステージの最初の段階。 

シーブイシー

CVC

コーポレートベンチャーキャピタル。

大手事業会社が自社で組成したベンチャーキャピタル。

CVCから資金提供を受けることで、ベンチャー企業はCVCの後ろにいる事業会社との結びつきも強くなる。

VCがベンチャー企業の上場による株式売却益を目指しているのに対して、CVCは自社の事業とのシナジー効果を期待しています。したがってベンチャー企業に対する審査基準も異なります。

ジョイント・ベンチャー 複数の企業が出資して設立されたベンチャー企業のこと。
上場審査部

証券会社の部署の一つ。

企業が上場できるかの審査を行う。

シリコンバレー

米国・西海岸カリフォルニア州にある都市。シリコンバーはApple、インテル、Google、Facebookなどの発祥の地。

シリーズA

企業の成長に合わせて5つに区分された投資ラウンドの3番目。

A種優先株式を利用することからシリーズAといわれる。

シンジケートカバー取引

オーバーアロットメントにより主幹事証券会社が投資家に販売した株券を借入先へ返却するに当たっての株券の調達方法の1つです。

販売後の市場価格が引受価額よりも低く推移している場合、主幹事証券会社は市場で株券を割安に調達できますので、グリーンシューオプションの権利を行使する必要はなく、市場で株券を買付けて必要数量を調達しますが、その際の市場での買付けのことをシンジケートカバー取引といいます。

(引用元:用語集/日本取引所グループ/最終アクセス220816)

シンジケートローン

複数の金融機関がひとつの企業に対して、同時期同一条件で協調融資すること。

申請期

上場申請期。X(エックス)期、N(エヌ)期ともいう。

スクイーズアウト 少数株主を現金対価にして強制的に会社から排除すること。
スタートアップ 

革新的な製品・技術・アイデアを世に問い、投資家からの資金調達を受けて勝負するベンチャー企業のこと。

伝統的事業の創業の場合には、スタートアップとはいわない。

スタートアップ支援 

会社設立前には・・・

ベンチャー企業が投資家から資金調達をすることを念頭に、発行済株式数、発行可能株式総数などの設計支援、創業株主間契約などの作成

投資家からの資金調達の際には・・・

ストックオプション等の設計

などを行なう司法書士等専門家による支援のこと。

ステージ

上場を目指すベンチャー企業を成長に応じて4分類したもの。

創業から順に、シード(ステージ)、アーリー(ステージ)、ミドル(ステージ)、レイター(ステージ)

ストックオプション 新株予約権。主に資金が豊富でないベンチャー企業が、優秀な人材を役員や従業員に迎えるにあたり報酬に上乗せして又は投資を受けるために交付する新株の交付を受ける権利。
スピンオフ

企業が部門を分離して新会社として独立させること。

会社新設分割等のスキームが使われる。

スモールビジネス 人材等をできるだけ雇用せず(代わりに外部に外注〔業務委託契約〕する)、できるだけ小さくまとめた事業のこと。
ダウン・ラウンド

資金調達をしようとする増資時の時価が、前回増資時の時価を下回ってしまうこと。

投資家から経営を失敗した企業と判断される可能性があり、既存投資家にも損失を与えます。

タームシート

M&Aの際に締結されることのある基本合意書。

一般に法的拘束力は持たせない。

チェンジ・オブ・コントロール条項 契約書の条項の一つ。M&A等により経営陣に変更があった場合に、他の契約当事者がその契約を解除したりできる。

ちょくぜんき

直前期

上場申請期の直前の期。X-1(エックスマイナスイチ)期、N-1(エヌマイナスイチ)期ともいう。

ちょくぜんぜんき

直前々期

上場申請期の2期前の期。X-2(エックスマイナスニ)期、N-2(エヌマイナスニ)期ともいう。

あなたの会社はいつ上場/株式会社上場どっとこむ

ディーアンドオー

D&O保険

Directors&Officersの略。

会社役員賠償責任保険

ティーオービー

TOB

株式公開買い付け。あらかじめ期間・株数・価格を提示し、取引所外で株式を買い付ける方法。

デット・エクイティ・スワップ

債務の株式化。会社代表者が会社に対して貸付金等の債権を有している場合(会社がその代表者に債務を負担している場合)に、その債権を会社に対して現物出資することにより、会社側から見れば債務(デット)が株式(エクイティ・資本)に代わる(スワップ)。

代表者側から見れば債権が貸付金に代わる。

デット・ファイナンス

返済義務のある借金による資金調達。

↔エクイティ・ファイナンス

デュー・デリジェンス

Due Diligence

M&A等の際に、買収側が行なう企業調査。

司法書士等専門家が売り手企業から提出を受けた書類や説明から法令違反やリスクを洗い出し買収側に報告する。

投資ラウンド

投資家がスタートアップに対する投資額を決める判断材料の一つ。

スタートアップ企業をその成長ステージごとに5つに分けて投資額を決める参考にする。

入札方式

新株発行の公募価格を決める際に、一般投資家による入札結果に基づき公募価格が設定されるため、公募価格が高騰しやすく、上場後、価格が急落する等、株式の円滑な流通に支障をきたすなどの問題点があり、現在はブックビルディング方式で公募価格が決定されています。

⇔ブックビルディング方式

バイアウト

Buy-Out

創業者が会社を売却し売却益(キャピタルゲイン)を得ること。

M&Aされること。

パススルー課税

団体に課税せず(パススルー)、その構成員の利益に対して課税する仕組み。

株式会社・合同会社(LLC)などには法人税が課税されるが、組合(民法組合、匿名組合、LPS、LLP)はパススルー課税。 

ハンズオン

Hands-On。積極的に経営に関与する。

VCの中には、戦略アドバイス、役員・技術者・取引先の紹介などを通じて、積極的に経営に関与するところもあります。

ビークル

ビジネスを行なう入れ物のこと。

株式会社、合同会社、一般社団法人など法人格のあるものから、組合など法人格のないものまである。

ビートゥーシー

BtoC(ビジネス)

B2C(ビジネス)

消費者を顧客とするビジネス。

⇔BtoB、B2B

ビートゥーシー

BtoB(ビジネス)

B2B(ビジネス)

事業者を顧客とするビジネス。

⇔BtoC、B2C

ピッチ(イベント)

ビジネスプランコンテスト。ベンチャー経営者が複数の投資家の前で投資を勧誘するコンテスト。

ファイナンス

会社の資金調達(手段)のこと。大きく分けて次の二つ。

  • エクイティ・ファイナンス:株式発行等による資金調達
  • デット・ファイナンス:借入による資金調達
ファンド

元々は「基金」という意味だったようですが、現在では、投資のために集めた資金やそれを運用する投資会社のこと意味します。

ブイシー

VC

「ベンチャーキャピタル」を参照

ブックビルディング(方式)

新株発行の公募価格を決める際に、投資家の需要状況に応じて公募価格を決定する方式のことをいう。入札方式というものもありますが、現在はブックビルディング方式で公募価格が決定されています。

⇔入札方式

ベスティング(条項)

ストックオプションの行使に条件を付与する条項。例えば、

付与後○年間は行使できない。

1年勤続ごとに○株ずつ行使できる。

ベンチャー(企業)

革新的な製品・技術・アイデアを世に問い、外部からの多額の資金調達をしてIPOやM&Aを目指す企業。

スタートアップも同義で使われることがある。

伝統的ビジネスの企業とは異なる。

ベンチャー・キャピタル

ベンチャー企業に投資する企業。投資した企業を上場させることで収益を得る。エンジェルとは異なり、運用する資金を第三者から集めているためベンチャー企業を審査して投資する。

アーリー(ステージ)に小口分散投資するVCと、ミドル、レイターに大口資金を投資するVCなどがある。

ボード 取締役会のこと。
ボードメンバー 取締役会(ボード)のメンバー、すなわち取締役と監査役のこと。
マイルストーン条項 一定の条件を達成したときに投資家側に出資義務を生じさせる投資契約の条項。
ミドル 上場を目指すベンチャー企業を成長に応じて4分類したステージの前から3番目。
メンター 会社経営などに関する師匠や指導者のこと。
ユニコーン(企業)  創業10年内に10億ドル以上の評価をされた非上場のベンチャー企業。非常にマレな存在であることから、伝説の生物の名が付けられている。   
リターン

下記二つの意味で使われています。

  1. 投資してどれだけ儲かるか(儲かったか)。株式への投資額と売却額の差。
  2. クラウドファンディングにおける投資家への返礼品。ベンチャーの自社商品であることが多い。
レイター  上場を目指すベンチャー企業を成長に応じて4分類したステージの最後(上場前)の段階。
ローカルベンチャー

(都市部ではなくとも)地方にあるものを利用して、新たな価値観を提供するベンチャー企業。人件費や事務所家賃が都市部より安い地方は、ベンチャーに必要なトライアル&エラーを積み重ねやすい。ローカルベンチャー推進協議会がある。

ロックアップ 会社を上場するときに、証券会社と創業者等が、上場から一定期間株式を売却しないという合意すること。
ロードショー 上場承認後、公開までの間に行われる経営者が自社の魅力を機関投資家の前でプレゼンするもの。
ロードショーマテリアル ロードショーで使われるプレゼン資料のこと。
ローンチ 新商品や新サービスを世に出すこと。
   

参考文献

下記ウェブサイトや書籍も参照した。