あなたの戸籍謄本(住民票)が取得されましたとの通知を受けた方へ:本人通知制度


市町村から「あなたの戸籍謄本(住民票)が第三者に取得されました」との通知が来た。

 

市町村に聞くと、「私は数年前に『本人通知制度』に登録していた」とのこと。

 

気持ち悪いのですが・・・どうすれば良いでしょうか?!


戸籍謄本などを請求できる者


戸籍謄本を請求できる者

戸籍謄本の交付を請求できる者は、戸籍法10条、10条の2に規定されています。 これをまとめるとコチラの図になります(8種類の専門家には、業務に関してのみ職務上請求書の利用が認められています。)。
請求者 請求の可否
戸籍に記載されている者 当然請求できる(戸籍法10Ⅰ)
戸籍に記載されている者の配偶者、直系尊属、直系卑属 当然請求できる(戸籍法10Ⅰ)
上記以外の者 原則 請求できない(戸10の2Ⅰ)
例外1 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要があるとき請求できる。
例外2 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合、請求できる。
例外3 その他正当事由がある場合、請求できる。
国又は地方公共団体の機関 法令の定める事務遂行に必要な場合、請求できる。

弁護士

司法書士(登記業務)

土地家屋調査士

税理士

社会保険労務士

弁理士

海事代理士

行政書士

受任事件又は事務の業務遂行のために必要がある場合

次の事項を明らかにしたとき、請求できる(戸10の2Ⅲ)。

①当該請求をする者の有する資格

②当該業務の種類

③当該事件又は事務の依頼者の氏名又は名称

④当該依頼者についての第1項各号に定める事項

弁護士

司法書士(簡裁訴訟代理)

土地家屋調査士

税理士

社会保険労務士

弁理士

☓ 海事代理士

☓ 行政書士

受任事件のうち次に掲げる業務【1】を遂行するために必要がある場合

次の事項を明らかにしたとき、請求できる(戸10の2Ⅳ)。

①当該請求をする者の有する資格

②当該事件の種類

③その業務として代理し又は代理しようとする手続

④戸籍の記載事項の利用目的

☓依頼者の氏名又は名称

弁護士

以下の業務遂行するために必要がある場合

①刑事に関する事件における弁護人としての業務

②少年の保護事件

③心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第3条に規定する処遇事件における付添人としての業務、

④逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐人としての業務、

⑤人身保護法第14条第2項の規定により裁判所が選任した代理人としての業務

⑥人事訴訟法第13条第2項及び第3項の規定により裁判長が選任した訴訟代理人としての業務

⑦民事訴訟法第35条第1項に規定する特別代理人としての業務

次の事項を明らかにしたとき、請求できる(戸10の2Ⅴ)。

①弁護士の資格

②これらの業務の別

③戸籍の記載事項の利用の目的

【1】次に掲げる業務

士業名 業務
弁護士

裁判手続又は裁判外における民事上若しくは行政上の紛争処理の手続についての代理業務

司法書士

司法書士法第3条第1項第3号及び第6号から第8号までに規定する代理業務

【簡裁訴訟代理業務のこと】

同項第7号及び第8号に規定する相談業務を除く

司法書士法人については同項第六号に規定する代理業務を除く。

土地家屋調査士

土地家屋調査士法第3条第1項第2号に規定する審査請求の手続についての代理業務

同項第4号及び第7号に規定する代理業務

税理士

税理士法第2条第1項第1号に規定する不服申立て

これに関する主張又は陳述についての代理業務

社会保険労務士

社会保険労務士法第2条第1項第1号の3に規定する審査請求及び再審査請求並びにこれらに係る行政機関等の調査又は処分に関し当該行政機関等に対してする主張又は陳述についての代理業務

同項第1号の4から第1号の6までに規定する代理業務

(同条第三項第一号に規定する相談業務を除く。)

弁理士

弁理士法第4条第1項に規定する特許庁における手続(不服申立てに限る。)、審査請求及び裁定に関する経済産業大臣に対する手続(裁定の取消しに限る。)についての代理業務、

同条第2項第1号に規定する税関長又は財務大臣に対する手続(不服申立てに限る。)についての代理業務、

同項第2号に規定する代理業務、

同法第6条に規定する訴訟の手続についての代理業務

同法第6条の2第1項に規定する特定侵害訴訟の手続についての代理業務

(特許業務法人については同法第6条に規定する訴訟の手続についての代理業務及び同法第6条の2第1項に規定する特定侵害訴訟の手続についての代理業務を除く。)

住民票を請求できる者

住民票の写しの交付を請求できる者は、住民基本台帳法に規定されています。

住民基本台帳法
11条 国又は地方公共団体の機関の請求による住民基本台帳【1】の一部の写しの閲覧
11条の2 個人又は法人の申出による住民基本台帳の一部の写しの閲覧
12条 本人等の請求による住民票の写し等の交付
12条の2 国又は地方公共団体の機関の請求による住民票の写し等の交付
12条の3 本人等以外の者の申出による住民票の写し等の交付

【1】住民基本台帳は、個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成したものです(住民基本台帳法6Ⅰ)

本人通知制度とは


市町村がご本人に対して「あなたの戸籍謄本を第三者に開示して良いか否か」を確認するための通知ではありません。

法律の条件を充たした請求であれば、市町村には開示する義務があるからです。

 

戸籍謄本や住民票の不正取得を防止するため、第三者が戸籍謄本などを取得したときに、市町村からご本人に対して通知を送る制度です。「あなたの戸籍謄本を第三者に開示しました」との通知です。

制度が周知されると、不正請求を思い止まらせる効果が期待できます。

また、不正取得が明らかになった場合には、ご本人に被害回復の機会を与えることも制度目的としてあげられています。

 

本人通知制度は、各市町村が独自に要綱を定めて実施するもので、未実施の市町村もあります。

また、事前登録型と被害告知型があり、その両方を併用している市町村もあります。

  事前登録型 被害告知型
内容

①市町村に事前登録した方を対象に、

②第三者が取得した場合には不正の有無に関係なく本人に通知する。

③請求した第三者を明らかにしない市町村が多い。

①市町村への事前登録の有無にかかわらず、

不正取得をした事実が明らかになったときに本人に通知する。

 

採用した主な市町村

兵庫県:芦屋市・尼崎市・明石市・三田市など

大阪府:全市町村

京都府:全市町村

兵庫県:神戸市など

大阪府:大阪市など 

京都府:全市町村

通知を受けたときは


市町村から通知を受けたとき、ご本人はどうするべきか?

事前登録型の通知を受けたとき 被害告知型の通知を受けたとき

✔ 不正取得とは限りません。

✔ 市町村に連絡し、請求した第三者の情報の開示を求めます。

開示されないこともあり得ます。

✔ 第三者に対して、請求の理由を教えるよう連絡します。

✔ 第三者が8種類の専門家である場合には、専門家ごとに利用目的が制限されています。

☛ そこから取得目的を推認することも可能です。

✔ 不正取得された可能性が高いです。

✔ 市町村に連絡し、請求した第三者の情報の開示を求めます。

✔ 各士業団体や監督機関に通知し、調査を依頼します。

✔ 被害回復のために司法書士や弁護士に相談します。       

 

 

本人から問合せを受けたときの専門家の対応


ご本人から、請求した専門家に対して、開示請求の理由を問い合わせた場合、その場合の対応は次のとおりとなります。

取得理由 対応

原則

守秘義務がありますのでお答えできません。
相続登記の依頼を受けた司法書士が、遺産分割協議のため相続人を探している場合 将来、遺産分割協議の協力を得る必要があるため、お知らせすることもあり得ます。 

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