あなたの戸籍謄本(住民票)が取得されましたとの通知を受けた方へ:本人通知制度


市町村から「あなたの戸籍謄本(住民票)が第三者に取得されました」との通知が来た。

市町村に聞くと、「私は数年前に『本人通知制度』に登録していた」とのこと。

気持ち悪いのですが・・・どうすれば良いでしょうか?!

もくじ
  1. 戸籍謄本などを請求できる者
  2. 本人通知制度とは
  3. 通知を受けたときは
  4. ご本人から問合せを受けたときの専門家の対応
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戸籍謄本などを請求できる者


戸籍謄本を請求できる者

戸籍謄本の交付を請求できる者は、戸籍法10条、10条の2に規定されています。

8種類の専門家には、業務に関してのみ職務上請求書の利用が認められています。

住民票を請求できる者

住民票の写しの交付を請求できる者は、住民基本台帳法に規定されています。

住民基本台帳法
11条 国又は地方公共団体の機関の請求による住民基本台帳【1】の一部の写しの閲覧
11条の2 個人又は法人の申出による住民基本台帳の一部の写しの閲覧
12条 本人等の請求による住民票の写し等の交付
12条の2 国又は地方公共団体の機関の請求による住民票の写し等の交付
12条の3 本人等以外の者の申出による住民票の写し等の交付

【1】住民基本台帳は、個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成したものです(住民基本台帳法6Ⅰ)

本人通知制度とは


市町村がご本人に対して「あなたの戸籍謄本を第三者に開示して良いか否か」を確認するための通知ではありません。

法律の条件を充たした請求であれば、市町村には開示する義務があるからです。

 

戸籍謄本や住民票の不正取得を防止するため、第三者が戸籍謄本などを取得したときに、市町村からご本人に対して通知を送る制度です。「あなたの戸籍謄本を第三者に開示しました」との通知です。

制度が周知されると、不正請求を思い止まらせる効果が期待できます。

また、不正取得が明らかになった場合には、ご本人に被害回復の機会を与えることも制度目的としてあげられています。

 

本人通知制度は、各市町村が独自に要綱を定めて実施するもので、未実施の市町村もあります。

また、事前登録型と被害告知型があり、その両方を併用している市町村もあります。

  事前登録型 被害告知型
内容

①市町村に事前登録した方を対象に、

②第三者が取得した場合には不正の有無に関係なく本人に通知する。

③請求した第三者を明らかにしない市町村が多い。

①市町村への事前登録の有無にかかわらず、

不正取得をした事実が明らかになったときに本人に通知する。

 

採用した主な市町村

兵庫県:芦屋市・尼崎市・明石市・三田市など

大阪府:全市町村

京都府:全市町村

兵庫県:神戸市など

大阪府:大阪市など 

京都府:全市町村

通知を受けたときは


市町村から通知を受けたとき、ご本人はどうするべきか?

事前登録型の通知を受けたとき 被害告知型の通知を受けたとき

✔ 不正取得とは限りません。

✔ 市町村に連絡し、請求した第三者の情報の開示を求めます。

開示されないこともあり得ます。

✔ 第三者に対して、請求の理由を教えるよう連絡します。

✔ 第三者が8種類の専門家である場合には、専門家ごとに利用目的が制限されています。

☛ そこから取得目的を推認することも可能です。

✔ 不正取得された可能性が高いです。

✔ 市町村に連絡し、請求した第三者の情報の開示を求めます。

✔ 各士業団体や監督機関に通知し、調査を依頼します。

✔ 被害回復のために司法書士や弁護士に相談します。       

 

 

ご本人から問合せを受けたときの専門家の対応


ご本人から、請求した専門家に対して、開示請求の理由を問い合わせた場合、その場合の対応は次のとおりとなります。

取得理由 対応

原則

守秘義務がありますのでお答えできません。
相続登記の依頼を受けた司法書士が、遺産分割協議のため相続人を探している場合 将来、遺産分割協議の協力を得る必要があるため、お知らせすることもあり得ます。 

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