金融機関などの借金の相続


借金(負債)の相続手続では、

まず、どこに対して借金があるのかが大切で、対応方法が異なります。

次に、借金の種類ごとに相続する借金の額も違います。


 

このように、借金の相続手続では、考えないといけない点が多数ございます。

借金の相続手続は、経験豊富なあなたのまちの司法書士事務所グループにお任せください。

借金相続の基本ルール(借金の法的性質)


借金は、法定相続分に応じて当然に分割承継されます。

 

たとえば

1000万円の借金があって、相続人が妻、長男と二男の場合、

妻500万円、長男250万円、二男250万円の割合で分割承継します。

 

遺産分割協議で、借金を一人が返済していくことになったとしても、債権者・金融機関の同意(免責的債務引受契約)を得ないと、他の相続人の返済義務は、消えることはありません。

借入先ごとの対応


まず、どこに対して借金があるのかが大切です。

 

1.銀行への借金の場合

☛借金の額が大きい場合、相続放棄限定承認をするか決断も必要です。

☛団体信用保険へ加入していたかもチェックする必要があります。

☛抵当権・根抵当権がある場合には、その変更手続きも必要です。 

2.元・高利貸金業者(クレジット会社やサラ金)への借金の場合

☛利息制限法違反の高金利を返済していた場合、返済しすぎているかもしれません。

返済しすぎている場合には、借金ではなく、財産の相続手続になります。

3.個人への借金の場合

☛消滅時効が完成していて返済義務が無くなっているかもしれません。

貸した方に連絡を取る前に、当グループにご相談ください。

何も知らないままに連絡を入れると、消滅時効が完成した債務の返済義務が復活することもあります。

4.【大家業・賃貸業の場合】預り敷金

☛少額であれば良いのですが、高額であれば、入居者退去時に誰が返済するのかなどをキッチリと決める必要があります。

☛高額である場合には、誰が返済するかについて賃借人の承諾も取得しておくべきです。

借金の種類ごとの対応


次に、借金の種類について考えます。

1.通常の保証の場合

☛各相続人が相続分に応じて保証債務を相続する。

 

2.身元保証債務の場合

☛相続債務ではないので、承継されない。

☛相続開始時点で既に現実化している主債務に関する保証は、各相続人が相続分に応じて保証債務を相続する。

 

3.貸金等根保証契約、信用保証債務のうち、極度額・期間の定めのないもの

☛相続債務ではないので、承継されない(最判S37.11.9)。

☛相続開始時点で既に現実化している主債務に関する保証は、各相続人が相続分に応じて保証債務を相続する。

 

4.賃貸借契約の保証人の地位

☛保証契約自体が相続対象となります(大判S9.1.30)

借金の相続


借金の法的性質

借金は、法定相続分に応じて当然に分割承継されます。

 遺産分割協議で、借金を一人が返済していくことになったとしても、債権者・金融機関の同意(免責的債務引受契約)を得ないと、他の相続人の返済義務は、消えることはありません。

遺産分割協議書作成時点で、注意すべきこと

遺産分割協議で、債務を承継しない相続人が注意すべきことは次のとおりです。

  1. 免責的債務引受に関する債権者の承諾が得られない場合の措置を遺産分割協議書に明記しておく。∵債権者が承諾書をくれるのは、遺産分割協議成立後になるため
  2. 遺産分割協議書で負債非承継とした相続人に対して債権者が請求を行った場合、負債承継相続人の相続不動産や固有不動産に対して担保設定をする。

遺産分割審判へ移行する前に考えるべきこと

借金は、法定相続分に応じて当然に分割承継されるますが、

遺産分割協議に加えても、遺産分割調停で話し合っても問題ありません。

しかし、遺産分割審判になると、

原則(借金は、法定相続分に応じて当然に分割承継されている)に戻ります。

つまり借金は全く考慮されません。

 

相続人が長男二男の2名で、長男が自宅と借金を相続し、二男が預金を相続し、長男が二男に不足分を代償金として支払うという処までは話しがついていて、代償金の額が争いになった次の例で考えます。

  遺産分割協議・遺産分割調停   遺産分割審判
積極財産

自宅 5000万円

預金 1000万円

 

自宅 5000万円

預金 1000万円

消極財産

借金▲2000万円

考慮されない
合計

   4000万円

     6000万円
各人の相続分

×1/2=2000万円

  ×1/2=3000万円
長男→二男への代償金 1000万円で良い   2000万円になる

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