特別代理人選任申立


未成年の子が契約などをする場合には、親権者であるご両親が(未成年の子のために)未成年の子に代わって契約を結びます。

 

ところが、お父様かお母様が、未成年の子を遺して亡くなった場合には、残された片親も未成年の子もともに遺産分割協議に参加する当事者となり、残された片親と未成年の子の利益が対立します。例えば、片親がある財産を相続すると、子はその財産を失うという関係にあるからです。

 

そんな場合には、次の方法から選択します。

  1. 残された片親が相続放棄し、未成年の子を代理して遺産分割協議を行なう(未成年の子が複数いる場合には、この方法を使えません。また相続税額が増える場合もあります。)。
  2. 遺産分割協議をせず、法定相続分で相続する(不動産の場合には使える方法ですが、預貯金など財産の種類によっては使えない方法です。)。
  3. 未成年の子のために特別代理人の選任を申し立て、特別代理人が遺産分割協議に参加する。

ここでは「3.」の特別代理人を選任して遺産分割協議する方法についてご説明します。

成年被後見人とその成年後見人の利益が対立する場合も同様です。

ただし、成年後見監督人が選任されている場合には、成年被後見人と成年後見人が利益相反する場合ときのご本人(成年被後見人)を代理するため特別代理人の選任は不要です。

 

特別代理人は、遺産分割協議を成立させるためだけのスポットの代理人です。

成年後見人、不在者財産管理人や相続財産管理人の仕事はすごく大変だと言われますが、特別代理人は財産を管理するわけではありませんので、これらよりもずっと楽です。

特別代理人選任~名義変更の流れ


遺産一覧の作成

司法書士が遺産一覧を作成します。

特別代理人候補者へ就任を打診

通常は未成年の子の祖父や祖母に依頼することが多いです。

候補者がいない場合には、司法書士が就任することも可能です。就任報酬は15万円(税別)です。

(相続税試算)

相続税が課税される可能性がある場合には、税理士に入ってもらい節税も考えた遺産分割協議案を作成します。

二次相続で、多額の相続税が課税される可能性がある場合(残された配偶者が資産家である場合など)も、税理士に入ってもらうことがあります。

遺産分割協議(案)の作成

未成年者の法定相続分の確保は、必ずしも必要ではありません。例えば、親と未成年子の場合には、親が一切の面倒をみているという事情があるからです。

遺産分割のための特別代理人選任申し立て

相続人間で協議した内容の遺産分割協議書(案)を添付して申し立てます。

申立書記載の候補者が選任されるとは限りません。

未成年の子の住所を管轄する家庭裁判所が管轄します。

家庭裁判所から特別代理人への書面による照会

特別代理人に就任するつもりがあるか否か、遺産分割協議書(案)の内容を知っているか否か、遺産分割協議書(案)で未成年者の利益が保護されているか等が照会されます。

家庭裁判所による選任

遺産分割協議書の作成

各財産の名義変更

司法書士の報酬・費用


手続 司法書士の報酬 実費
特別代理人選任申立

子一人ごとに

100,000円(税別)~

子一人ごとに

印紙800円

切手2,000円

(特別代理人候補者がいない場合)

15~100万円【1】

(戸籍収集)

10,000円(税別)~

3,000円~

(相続関係図作成)

30,000円(税別)~

0円

(遺産目録作成)

30,000円(税別)~

 
遺産分割協議書作成

20,000円(税別)~

 

【1】裁判所予納金は、不在者財産管理人や特別代理人などの報酬にあてるため、裁判所に予め納めていただく費用です。予定されている業務量に応じて、裁判所が決定します。遺産分割協議をする場合で30万円ほど、遺産分割協議と不動産売却もする場合には100万円ほど。

関連するページ