そんなときには、家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらって、相続財産管理人に対して、請求します。
もくじ | |
|
利害関係人又は検察官が請求できる(民952)とありますが、利害関係人とは次のような方のことです。
遺言で財産の一部の贈与を受けた方など
特別縁故者について詳しくはコチラ
相続財産管理の流れは、複雑で、次のとおりになります。
PC画面でご覧ください。
(相続人がいなさそう)
(相続人がいる)
相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする(民951)。
家庭裁判所が相続財産管理人を選任します(民952Ⅰ)。
相続財産に不動産がある場合、相続財産管理人は不動産を相続財産法人の名義に変更登記します。
相続財産管理人ご自身が登記できない場合には、司法書士にご依頼いただくことが可能です。
登記申請書 | |
登記の目的 | 所有権登記名義人氏名変更【1】 |
登記原因 | 年月日相続人不存在【2】 |
変更後の事項 | 登記名義人 亡■■■■相続財産 |
申請人 |
住所【3】 |
亡■■■■相続財産管理人 ●● ●● |
|
添付書類 |
登記原因証明情報【4】 代理権限証明情報 |
年月日申請 |
○○地方法務局 ○○支局 |
代理人 |
神戸市灘区鹿ノ下通二丁目4番15号 |
司法書士 佐 藤 大 輔 |
|
連絡先電話番号 078-805-1965 |
|
登録免許税 |
金1,000円【5】 |
不動産の表示 |
(略) |
【1】所有者に変更するわけではありませんので、「所有権移転登記」ではなく「所有権登記名義人氏名変更登記」を行います。
【2】年月日は被相続人死亡の日です。
【3】選任審判所の住所、氏名を記載します。
【4】登記原因証明情報として、選任審判書を添付します。
【5】不動産1個につき1,000円です。
家庭裁判所が官報に「管理人が選任された旨」公告をします(民952Ⅱ)
(相続人が出現せず)
(相続人が出現)
相続財産管理人が官報に「すべての相続債権者及び受遺者に対し、2か月内にその請求の申出をすべき」旨公告します(民957)。
(相続人が出現せず)
(相続人が出現)
相続財産管理人が申し立てると、家裁が官報に「相続人があるならば6か月内にその権利を主張すべき」旨公告します(民958)。
(相続人が出現せず)
(相続人が出現)
相続人がいないことが確定します(民958の2)
被相続人に特別の縁故があった方は、申し立てによって、相続財産の全部又は一部の分与を受けられることがあります(民958の3)。詳しくはコチラ
(あり。財産分与あり)
(なし又は分与申立却下)
(最判H1.11.24)
(なし又は分与申立却下)
(民法959)
詳細はこちらをご参照ください。
相続人が現れ、相続の承認をしたときには、管理の計算をして相続人に引き渡します(民956)。
相続財産に残余があるときには、管理の計算をして国に引き渡します(民959)。
手続 | 時間 |
(戸籍収集) | 2~3か月 |
(相続放棄有無照会) | 1週間 |
(相続財産調査) | 1~2か月 |
(負債調査) | 1か月 |
相続財産管理人選任申立書作成・提出 | 2~3週間 |
管理人選任・選任公告 | 2か月 |
債権申し出の催告 | 2か月 |
合計 | 1年程度 |
上の時間に加えて
手続 | 時間 |
相続人捜索の公告 | 6か月 |
総合計 | 1年半程度 |
手続き | 司法書士の報酬(税込) | 実費 |
(戸籍収集) | 11,000~33,000円程度 | 1万円程度 |
(相続放棄有無照会) |
11,000円 |
郵送費 |
(相続財産調査) |
調査範囲によります。 照会先1か所につき1,100~2,200円 |
郵送費 |
(負債調査) | 33,000円 | 3千円ほど |
相続財産管理人選任申立 | 220,000円 |
印紙800円 郵送費 官報費用4千円ほど 予納金20~100万円 【1】 |
合計 |
ざっくり33万円ほど |
【1】予納金は、相続財産管理人の報酬に充てられる費用で、最初に申立人が立て替えます。
最初に収める予納金の額は、相続財産により、裁判所が決めます。現金預金が多いときには20万円程度ですむこともありますが、現金化しにくい財産が多数あるときには100万円などと高額な予納を求められることもあります。相続財産管理が終了して予納金にあまりがあるときには、戻ってくることもあります。
手続き | 司法書士の報酬(税込) | 実費 |
相続財産法人への名義変更登記 | 33,000円 | 1万円程度(不動産3個まで) |