不動産会社に物件の売却を依頼する場合、媒介契約を結ぶ必要があります。
この記事では、まず①「仲介」とも「媒介」ともいわれる不動産会社との契約について、次に②3種類ある不動産会社との媒介契約の種類について解説しています。
もくじ | |
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〔凡例〕この記事では、下記のとおり略記します。
ほとんど同じ意味です。
仲介 | 媒介 | 仲立 | |
読み |
ちゅうかい | ばいかい | なかだち |
意味 |
法律用語ではない。 |
法律用語。 宅地建物取引業法34の2ほかで使われる。 |
法律用語。 商法502⑪、同543-550で使われる。 商法における「仲立」の定義は商法543条が定める。 |
補足 |
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商法第543条(定義) | |
この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。 |
商法第550条(仲立人の報酬) | |
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売主の義務、不動産会社の義務、メリット・デメリットの順でご説明していきます。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | ||
定義規定 | 規則15の9② | 法34の2Ⅲ | (規則15の9③) | |
売 主 の 義 務 |
他社に重ねて依頼 | 不可 | 不可 | 可能 |
売主自ら発見した相手と取引 | 不可 | 可能 | 可能 | |
売主への拘束 | 厳しい | ゆるい | ||
売主への拘束が一番少ない「一般媒介契約」が有利そうに見えます。 それでは、なぜ売主は、拘束が一番厳しい「専属専任媒介契約」を選ぶ方が多いのでしょうか? その答えを探るため、次は、不動産会社の義務を見てみましょう。
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専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | ||
定義規定 | 規則15の9② | 法34の2Ⅲ | (規則15の9③) | |
不 動 産 会 社 の 義 務 |
媒介契約書の作成交付義務 | あり(法34の2Ⅰ) | あり(法34の2Ⅰ) | あり(法34の2Ⅰ) |
媒介契約書の有効期間 | 3か月以内(法34の2Ⅲ) | 3か月以内(法34の2Ⅲ) | 法規制なし(法34の2Ⅲの反対解釈) | |
指定流通機構(レインズ)への物件登録 |
必要(法34の2Ⅴ) 媒介契約締結から5日以内(規則15の10かっこ書) |
必要(法34の2Ⅴ) 媒介契約締結から7日以内(規則15の10) |
不要(法34の2Ⅴ反対解釈) | |
売買の申込みがあったとき遅滞なく売主へ報告 | 必要(法34の2Ⅷ) | 必要(法34の2Ⅷ) | 必要(法34の2Ⅷ) | |
売主への定期報告 | 1週間に1回以上必要(法34の2Ⅸかっこ書) | 2週間に1回以上必要(法34の2Ⅸ) | 不要(法34の2Ⅸ反対解釈) | |
不動産会社の義務 | 厳しい | ゆるい |
なるほど。
一般媒介は、定期報告すら不要なんですね。
それならば「専属専任媒介」や「専任媒介」でお願いしようとなるのも、分かりますね。
次は、メリット・デメリットを確認しましょう。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
メ リ ッ ト |
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デ メ リ ッ ト |
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【1】値下げをするときに各社の足並みが揃わず、同じ不動産であるのに複数の価格がインターネット上に掲載され、トラブルになることもある。
売主様のメリット・デメリットと表裏一体となりますので、不動産会社のメリット・デメリットも把握しておきましょう。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
メリット |
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デメリット |
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宅地建物取引業法が定める「媒介契約の種類ごとの義務」は次のように規定されています。
宅地建物取引業法第34条の2(媒介契約) | |
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