相続手続きのお手伝いをしていると、お客様から「この不動産は、使い道もないし、要らないんですよね。どう処分すれば良いでしょうか?」というご相談を受けることが多いです。
都市部の宅地や建物であれば、比較的容易に買主を見つけることができるのですが、地方や郊外の不動産であれば、買主を見つけることは容易ではありません。その他「訳あり不動産」もなかなか売れません。
多くの方が「不要なご所有不動産を売りたいけれども、買主を見つけることができない」という問題を抱えています。
この記事では、そんな売れない・売りにくい不動産の処分方法について解説しています。
| もくじ | |
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農地を売買や贈与する場合には、農地法の許可が必要です。
許可を得るためには、権利を取得する側が一定の要件を満たす必要があり、ハードルがあるためです。
樹木の管理コストがかかり、用途が限られるため不人気です。
もっとも近年の「キャンプ」人気により、都市近郊であれば、手放すことも不可能ではありません。
建物が建っている物件であっても、建築法規の改正により、現在の建物を取り壊して、新しい建物が建設できない物件(土地)もあります。建物を建てられない土地は、土地の利用が限定されるため、買い手がつきにくいです。
他の方と共有で一つの物件を持っている場合、全員が揃って売却しないと買い手がつきにくいです。
近年、持分のみを買い取る不動産会社も出現してきました。
このような不動産会社は、①持分のみを安価で買い受けた後、②他の共有者に対して、共有物分割請求を行い、③他の共有者の持分を取得したり、他の共有者に不動産会社の持分を買い取らせたりします。
事件、自殺や孤独死があった物件の場合には、心理的瑕疵といい、なかなか買い手がつきません。
司法書士にご相談いただくのが、ベストです。
司法書士は、次のような処分方法の中から、最適な方法をご提案します。
まずは、物件地元の優良な不動産会社に仲介を依頼するのが王道です。
もっとも不動産会社は玉石混交ですので、選ぶ際には、司法書士などに意見を求めましょう。
まず綺麗な物件であれば、エンドユーザーに声を掛けるのが通常です。
不動産会社に売却すると、安くで購入され、転売される可能性もあるからです。
早く売却できる。
契約不適合責任を免責してもらえることが多い。
測量やリフォーム未了でも、売却できる。
売却価格は、エンドユーザーに売却する場合よりも、下がることが多い。売却価格が下がるのは、不動産を整理して問題を解決し(測量、境界確定、リフォームなど)、エンドユーザーに売却できる不動産にしなければならないためです。
不動産は、人によって値打ちが異なります。
近隣地所有者は、自宅の庭を広げたかったり、息子の家を隣に建てたかったり、隣接農地を購入して畑を広げたかったりなど、比較的ニーズが高いです。
そこで、登記簿で売却したい物件の周辺の土地の所有者を調べ、声を掛けていくのも有効です。
買い取ってもらう方法(売買、売却)と、無料で引き取ってもらう方法(贈与)があります。
司法書士は、近隣地所有者に対して、売却や贈与を打診する文書の作成や発送を代行して、お手伝いいたします。
インターネットで検索すると、多くの訳あり物件買取専門業者が出てきます。
ピックアップした業者を推薦するものではありませんので、ご利用はご自身の責任で行ってください。
不動産オークション会社に売却を依頼するのも有効です。
不動産のフリーマーケット(サイト)に掲載するのも有効です。
サイトへの物件登録、購入希望者との連絡、物件の内覧などをすべて売主ご自身が担当します(セルフ・セル方式)。「セルフ・セル」方式によって、物件を売るコストを最低限にし、低価格不動産も売却できる仕組みです。
売主と買主がマッチした場合のみ、不動産会社や専門家が不動産取引を担当します。
農地の売買や賃貸を希望する場合には、農業委員会に声を掛けるのも有効な場合があります。
農業委員会では、新規参入者等に、「農地を売りたい、買いたい」または「貸したい、借りたい」等の情報を提供しており、農業委員会が仲介に入ります。
農業委員会は、各市町村に設置されていますので、一度、ご相談をオススメします。
たまたま物件が、拡幅予定の道路に接しているなどの場合でなければ、引き取ってもらうことは困難ですが、声を掛けてみるのもありでしょう。
たまたま物件が、拡幅予定の道路に接しているなどの場合でなければ、引き取ってもらうことは困難ですが、声を掛けてみるのもありでしょう。
「売る」のではなく「処分費用を支払って引き取ってもらう」仕組みです。
悪質な「引き取り詐欺」業者が存在している模様ですので、ご利用には注意が必要です。
「相続土地国庫帰属制度」とは、相続した土地を、国に引き取ってもらうことのできる制度です。
引き取りの可否について審査するための審査手数料(14,000円)、審査を通った後で引き取ってもらうための負担金(200,000円~/筆)、専門家を利用なさる場合には専門家報酬が必要です。
記事『相続土地国庫帰属制度』もご参照ください。
相続土地国庫帰属制度は、費用負担をしてご所有不動産を処分するので、資産家の場合には、相続税対策としても有効です。記事「相続土地国庫帰属制度を使って不要な不動産を処分し、相続税額と家族の負担を減らしましょう」もご参照ください。
相続手続きする場合、相続土地国庫帰属制度の利用を検討しているときには、遺産分割協議書にはご所有不動産も記入しておきますが、相続登記するのは処分方法が決まってからで結構です。
∵相続した不動産を売却する場合には、相続登記が必ず必要です。ただし、相続土地国庫帰属制度を利用する場合のみ、制度利用の前提として相続登記をする必要がありません。
所有者が生前に全ての財産(不要な不動産を除く)を親族に移転(売買や贈与などを利用)しておいて、所有者がお亡くなりになった場合に、家庭裁判所に相続放棄申述をするという方法があります。
今すぐ不要な不動産を資産から切り離せない点、ご夫婦どちらが先に亡くなるかが不明である点などのリスクもございます。
不要な不動産を他の方と共有している場合には、共有持分を放棄することができ、放棄された持分は他の共有者に帰属します(民法255条)。
不動産の処分には、注意すべき点がございます。
司法書士にご相談なさることをお勧めします。
専門家の意見を聞く前に、建物を更地にして売却しようとする方がいらっしゃいますが
古い建物であっても価値があるものもあります。また、税金がかわることもあります。
不動産のプロでない方によるリフォームはオススメしません。
残念ながら、通常は、次のような感じになってしまいます。
リフォームしたことによる値上がり価格 < リフォーム工事費用
流行りの内装などをご存知ないでしょうし、工事費も不動産会社によるリフォームよりも高くなり、損をなさることも多いからです。
「売る」のではなく「処分費用を支払って引き取ってもらう」仕組みです。
悪質な「引き取り詐欺」業者が存在している模様ですので、ご利用には注意が必要です。引き取り業者にお金を支払ったけれど、不動産登記名義を引き取って貰えないというトラブルが発生しています。
司法書士は、現金授受を確認したうえで登記申請を行います(不動産取引への立会業務)。司法書士の不動産取引への立会業務は、売主と買主がそれぞれ負っているリスクを最小限にするために行うものです。司法書士に立会を依頼しないで、お金を支払い引き取って貰おうとするのは、大変危険ですので、必ず司法書士にご依頼ください。
次のような点にもご注意ください。
| 業務の種類 | 司法書士の報酬・費用 | 実費 | |
| ご相談 | 5,500円/30分ごと | ||
| 近隣地調査 | ご所有地の近隣地の登記情報を取得します。 | 1,650円/通 | 331円/筆 |
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土地ごとの所有者の住所氏名等の一覧を作成します。 どの方に売却贈与を打診するか検討するための資料です。 |
1,650円/筆 | ー | |
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売却や贈与を打診する文書の作成 (発送はご自身でお願いします。) |
11,000円/通 | ー | |
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売却や贈与を打診する文書の発送 (司法書士が発送し、回答内容をまとめて報告します。) |
22,000円/相手方お一人あたり | 郵送実費 | |
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相続土地国庫帰属制度 |
11万~55万円/筆 | 25万円~/筆 | |
| 共有持分放棄の内容証明郵便作成・発送 | お客様名(司法書士の職・名を記載せず) | 11,000円(税込)~/共有者一人【1】 | 1,200円~/共有者一人 |
| 司法書士の職・名を記載 | 16,500円(税込)~/共有者一人【1】 | 1,200円~/共有者一人 | |
【1】①共有持分放棄に基づく所有権移転登記報酬・実費、②相手方が登記の引取を拒否した場合の登記引取請求訴訟の報酬・実費は、別途必要になります。
企業・事業者向けサービス
トラブル解決サービス(簡裁訴訟代理、裁判書類作成)
