貸金庫を開けることを、貸金庫の開扉(かいひ)または開披(かいひ)といいます。
以前は「開披」の文字を使うことが多かった気がしますが、最近では「開扉」の方が多いような気がします。いずれにしても、意味は同じです。この記事では「開扉」と記載します。
さて、相続手続において、貸金庫があると嫌なものです。中に何が入っているのか、とても気になります。筆者の経験では、金塊が入っていたこともあれば、何も入っていなかったことも多々ありました。貸金庫を開けるタイミングによって、最もでてきて欲しくないのは「遺言書」です。
この記事では、貸金庫を相続した方が、貸金庫を開け、中身を確認する手続について解説しています。
| もくじ | |
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貸金庫中に遺言書がある場合もあります。
遺産分割協議が終了した後、貸金庫の中から遺言書が出てきた場合において、遺言書の定めと遺産分割協議の内容が相反するときには、遺産分割協議が無効になりますので、相続人間でトラブルに発展しかねません。
したがって、貸金庫がある場合には、遺産分割協議をする前に、貸金庫を開扉したうえ、遺言が入っていないかを確認すべきです。
貸金庫の中身は、①貸金を開扉(かいひ)した人と②開扉に立ち会った人にしか分かりません。
後日、他の相続人から「貸金庫には金塊を入れていた筈だ」と言われても、反論すること、すなわち「貸金庫に金塊が入っていなかったことを証明すること」は、大変難しいのです。
そこで、実務上は、貸金庫を開扉する場合には、下記いずれかの方法をとります。
貸金庫を開ける方法には、いくつか方法があります。
上記のうち「1」や「2」の場合には、相続人が開けることも可能です。
「3」の場合には、正式な相続手続を行わないと開けることは不可能です。
金融機関に対して口座の有無の照会(相続財産調査)をすると銀行によって口座を凍結されます。そして、銀行は、全相続人の貸金庫開扉に関する同意がないと、貸金庫を開けてくれません。
ところが、貸金庫の中に遺言書が保管されていることもあります。遺産分割協議終了後に、貸金庫を開けて出てきた遺言書が遺産分割協議の内容と異なる場合には、基本的に遺言書が優先され、遺産分割協議は無効になりますので、相続人間でトラブルになります。
そこで、貸金庫のあることが分かっている場合において、相続人の一人が貸金庫の鍵を預かり、貸金庫の暗証番号も分かっているときには、金融機関に対して相続財産調査をする前に、公証人立ち会いのもと事実実験公正証書を作成して開扉するしか方法がありません。
ただ、公証人によっては、大変嫌がられますので、公証人との十分な打合せが必要です。
| 具体的な方法 | 費用 | オススメ度 | |
| 1.相続人全員立会いで開扉 |
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不要 | ◎ |
| 2.公証人と相続人代表で開扉 |
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公証人費用 :3万円~【1】 |
◎ |
| 3.公証人、司法書士と相続人代表で開扉 |
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公証人費用 :3万円~【1】 司法書士費用 :5.5万円+日当 |
○ |
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4.公証人と司法書士で開扉 |
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公証人費用 :3万円~【1】 司法書士費用 :5.5万円+日当 |
◎ |
| 5.司法書士と相続人代表で開扉 |
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司法書士費用 :11万円~【2】 |
▲ |
| 6.相続人代表が一人で開扉 |
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不要 | × |
【1】公証人報酬等の算定方法
公証役場から銀行までの交通費:実費
公証役場から銀行までの日当:4時間で1万円(税別)
公正証書作成の作成:1時間で1万円(税別。貸金庫が空でも作成が必要です。また宝飾品が大量に入っている場合などには、公正証書作成に時間を要するため高額になる可能性もございます。)
【2】司法書士報酬等の算定方法
| 司法書士報酬 | |
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公証人に同行するのみの場合 (上記3または4の場合) |
5.5万円(税込)+日当 |
|
公証人の代わりに私文書を作成する場合 (上記5の場合) |
11万円~(税込)+日当 ※11万円の基本報酬に、貸金庫の内容量に応じて私文書作成1時間あたり2.2万円(税込)を加算します。 |
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