登記申請書や添付書類の閲覧方法を、全て解説したページです。

  1. 不動産登記の記載内容を変更するためには、登記申請書と添付書類を法務局に提出します。
  2. 過去に提出された登記申請書と添付書類は、30年間、法務局で保管されています。
  3. 一定の要件を充たせば、過去に提出された登記申請書と添付書類を、閲覧できます。
  4. このページを読むだけで、初めての方でも、登記申請書等の閲覧手続きについて理解できます。

登記簿は、誰でも、閲覧や証明書の交付を請求することができます。

ところが(登記簿に記載される元となった過去の)登記申請書とその添付書類は、誰でも、閲覧できる訳ではありません。必要最小限の事項しか登記されていない登記簿と比べて、登記申請書と添付書類は、個人情報の山だからです。

この記事では、不動産登記申請書とその添付書類の閲覧について、解説しています。

もくじ
  1. 概要
  2. 法令
  3. 通達
  4. 登記申請書等の閲覧の流れ
  5. ウェブ会議による閲覧の流れ
  6. 標準的な所要時間
  7. 司法書士の報酬・費用
  8. 人気の関連ページ

〔凡例〕この記事では、次の通り略記します。

  • 不登法121ⅠⅡ:不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第121条第1項及び同条第2項
  • 不登令:不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)
  • 不登規則28⑩:不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第28条第10号
  • 手数料令:登記手数料令(昭和二十四年政令第百四十号)

概要


登記簿、図面、公図

下記の情報は、誰でも、「閲覧」や「証明書」の交付を請求することができます。

  • 登記事項証明書(不登法119)
  • 地図の写し(不登法120)
  • 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図(不登法121ⅠⅡ→不登令21)

登記申請書、その添付書類

  • 登記申請書と添付書類の保存期間は、受付日から30年間です(不登規則28⑩)
  • 登記申請書と添付書類は、「閲覧」のみが認められ、「証明書」の交付請求はできません(不登法121ⅢⅣ)。実務では、カメラを持参して撮影します(写真撮影を禁止されたことはありませんが、全国の法務局が撮影可能かは、未確認です。)。
  • 閲覧できる方は、令和5年4月1日の不動産登記法改正により、狭くなりました(下表ご参照)。
  閲覧できる方 閲覧できる範囲
改正前 利害関係を有する者  
   
改正後 ご自身を申請人とする場合 全部(不登法121Ⅳ)
上記以外で正当な理由がある場合

正当な理由があると認められる部分に限る

(不登法121Ⅲ)

法令


まずは、法令の条文から確認しましょう。

不動産登記法第121条(登記簿の附属書類の写しの交付等)
 
  1. (略) 
  2. (略)
  3. 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定める【1】ところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 
  4. 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定める【1】ところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 
  5. 第119条第3項から第5項までの規定【2】は、登記簿の附属書類について準用する。 

(平18法109・令3法24・一部改正)

【1】登記手数料令第5条第1項です。

登記手数料令第5条
 
  1. 登記簿又はその附属書類(電磁的記録にあつては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧についての手数料は、一登記用紙又は一事件に関する書類につき500円とする。

  2. ~4.(略)

【2】準用している第5項は「交付の請求」としているため、「閲覧」しかできない登記申請書や添付書類は、現地の管轄法務局に(閲覧)申請せざるを得ません。

不動産登記法第119条(登記事項証明書の交付等)
 
  1. 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
  2. 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。
  3. 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。
  4. 第1項及び第2項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。
  5. 第1項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。
  6. 登記官は、第1項及び第2項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第1項及び第2項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。

通達


閲覧の可否と、閲覧請求の具体的手続は、令和5年3月28日法務省民二第537号通達が定めています。

長いので「もくじ」を作成したほか、欄外に「解説」を加えました。

もくじ

柱書?本文?

1 本通達の趣旨

2 登記簿の附属書類の閲覧に関する規律の見直し

3 自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧(前記2(2)関係)

(1) 請求人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。以下単に「請求人」という。)

(2) 委任による代理人が閲覧する場合

(3) 被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合 

4 前記3以外の場合における登記簿の附属書類の閲覧(前記2(1)関係)

(1) 一般に「正当な理由がある」と認められる場合

ア 登記簿の附属書類のうち請求人が作成した書類の閲覧を請求する場合

イ 自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類を請求人が閲覧することを申請人が承諾した場合

(2) 一般に「正当な理由がある」とは認められない場合

ア 他の法令等により交付等に係る手続が規定されている場合

イ 被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合

(3) 前記(1)及び(2)以外の場合(閲覧を請求する理由の類型と「正当な理由があるか」の判断)

ア 附属書類の真正性を確認するために当該附属書類の閲覧を請求する場合 

イ 相続人が相続に関する登記簿の附属書類(遺産分割協議書や遺言書など)の閲覧を請求する場合

ウ 隣地の所有権の登記名義人等が附属書類の閲覧を請求する場合 

エ 前記アからウまで以外に関する民事上の紛争に係る訴訟(その準備行為を含む。)のために附属書類の閲覧を請求する場合

オ 不動産の取得希望者が当該不動産の従前の取引経過等を確認するために附属書類の閲覧を請求する場合 

5 閲覧請求書の書式

6 経過措置

法 務 省 民 二 第 5 3 7 号

令 和 5 年 3 月 2 8 日

法 務 局 長 殿

地方法務局長 殿

法務省民事局長

( 公 印 省 略 )

    民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて

    (登記簿の附属書類の閲覧関係)(通達)

民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号。以下「改正法」という。)の施行に伴う不動産登記事務の取扱い(登記簿の附属書類の閲覧関係。令和5年4月1日施行)については、下記の点に留意するよう、貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。

なお、本通達中、「不登法」とあるのは不動産登記法(平成16年法律第123号)を、「改正不登法」とあるのは改正法による改正後の不登法を、「不登規則」とあるのは不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)を、「改正不登規則」とあるのは不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和5年法務省令第6号)による改正後の不登規則をいいます。

1 本通達の趣旨

本通達は、登記簿の附属書類の閲覧に関する見直しを内容とする改正法の施行に伴い、その取扱いにおいて留意すべき事項を明らかにしたものである。

2 登記簿の附属書類の閲覧に関する規律の見直し

(1) 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(不動産登記令(平成16年政令第379号)第21条第1項に規定する図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。以下同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができることとされた(改正不登法第121条第3項)。

この場合には、閲覧しようとする部分及び当該部分を閲覧する正当な理由を請求情報の内容とするとともに(改正不登規則第193条第2項第4号)、当該正当な理由を証する書面を提示しなければならないこととされた。また、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならないこととされた(同条第3項)。

(2) 前記(1)にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができることとされた(改正不登法第121条第4項)。

この場合には、閲覧しようとする附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を請求情報の内容とするとともに(改正不登規則第193条第2項第5号)、当該閲覧をしようとする附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならないこととされ、また、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならないこととされた(同条第4項)。

(3) なお、前記(1)及び(2)と同旨の規定が、建設機械登記令(昭和29年政令第305号)、船舶登記令(平成17年政令第11号)及び農業用動産抵当登記令(平成17年政令第25号)にも設けられた。

3 自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧(前記2(2)関係)

改正不登規則第193条第4項に規定する「閲覧をしようとする附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面」の具体的内容及びその確認方法は、以下のとおりとする(以下、後記(1)から(3)までの方法による本人確認等を「本人確認書類による本人確認等」

という。)。

なお、改正不登規則第193条第4項後段により、登記官は請求人に対して書面又は写しの提出を求めることができるが、登記官がこれを求めるのは、後記(2)若しくは(3)の場合又はこれに準じて特に必要があると認められる場合とする。

(1) 請求人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。以下単に「請求人」という。)が閲覧する場合

請求人の次に掲げる書面(以下「本人確認書類」という。)のいずれかの提示を求めることとする。

また、登記官において、窓口に来庁した者の本人確認を実施するとともに提示された書面と請求に係る登記記録や登記簿の附属書類(以下「登記記録等」という。)とを照合し、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧かどうかを確認することとする。

ア 運転免許証(道路交通法(昭和35年法律第105号)第92条第1項に規定する運転免許  証をいう。)、運転経歴証明書(道路交通法第104条の4第5項(同法第105条第2項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第7項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第2条第5号に規定する旅券及び同条第6号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該請求人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第19条の3に規定する在留カードをいう。)又は特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)第7条に規定する特別永住者証明書をいう。)のうちいずれか1以上。なお、国家公務員又は地方公務員がその職務上の必要により登記簿の附属書類の閲覧を請求する場合には、国家公務員又は地方公務員の身分証明書(写真が添付されたものに限る。)のみで足りることとする。

イ 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、基礎年金番号通知書(国民年金法施行規則(昭和35年厚生省令第12号)第1条第1項に規定する基礎年金番号通知書をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該請求人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか2以上。

ウ イに掲げる書類のうちいずれか1以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該請求人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか1以上。

(2) 委任による代理人が閲覧する場合

代理人の権限を証する書面【1】(改正不登規則第193条第6項)及び委任による代理人の本人確認書類の提示を求めることとする。また、当該代理人の本人確認書類についてはその写しを、当該代理人の権限を証する書面については原本又はその写しの提出を求めることとし、提出を受けた書面は、請求書と併せてつづり込み、保存することとする(以下で書類又はその写しの提出を求める場合についても同じ。)。

なお、弁護士、司法書士又は土地家屋調査士については、これら資格者の職務上の身分を証する写真付きの証明書(当該資格者が所属する単位会等が発行するもの)が提示された場合には、委任による代理人の本人確認書類として、当該証明書で足りることとする。

おって、代理人の権限を証する書面に記載すべき委任事項は、「訴訟に関する一切の件」といった一般的なものでは足りず、特定の附属書類の閲覧についての個別具体的な委任を内容とすることを要する。

また、登記官において、来庁した者の本人確認を実施するとともに、提示された代理人の権限を証する書面の記載内容と登記記録等とを照合し、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧の代理であるかどうかを確認することとする。

【1】代理人が閲覧する場合、その委任状については実印、印鑑証明書つきとは明示されていません(次の「(3) 被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合」において代理人が閲覧請求するときの委任状は実印(印鑑証明書つき)と明示されています。)。事前に、実印(印鑑証明書つき)でなくて良いか、法務局と折衝が必要です。

(3) 被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合

前記(1)及び(2)にかかわらず、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者、ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第7条に規定するストーカー行為等の相手方、児童虐待の防止に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待を受け児童等として住民基本台帳事務処理要領(昭和42年10月4日付け法務省民事甲第2671号法務省民事局長、保発第39号厚生省保険局長、庁保発第22号社会保険庁年金保険部長、42食糧業第2668号(需給)食糧庁長官及び自治振第150号自治省行政局長通知)第6の10の措置を受けている者及び令和5年2月13日付け法務省民二第276号法務省民事局民事第二課長通知「民事訴訟法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う不動産登記事務等の取扱いについて(通知)」により、平成27年3月31日付け法務省民二第196号法務省民事局民事第二課長通知「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第1条第2項に規定する被害者が登記権利者となる所有権の移転の登記における登記権利者の住所の取扱いについて」による取扱いに準じた取扱いをすることとされた者(以下「被害者等」という。)の現住所が登記簿の附属書類に記載されており、これについて平成27年3月31日付け法務省民二第198号法務省民事局民事第二課長通知「配偶者からの暴力防止及び被害者保護等に関する法律第1条第2項に規定する被害者が登記義務者又は登記権利者とならないが、添付情報に当該被害者の現住所が記載されている場合における閲覧の方法について(通知)」の閲覧制限の措置(以下「被害者等の現住所の閲覧制限措置」という。)がされているときは、以下の方法による。

ア 被害者等が請求人となる場合

請求人の本人確認書類の提示及びその写しの提出を求めることとする。

なお、提出を受けた本人確認書類の写しを請求書と併せてつづり込み、保存するに当たっては、被害者等の現住所の閲覧制限措置をすることとする。

おって、登記官において、来庁した者の本人確認や提示された書面と登記記録等との照合等の必要があることは、前記(1)と同様である。

イ 委任による代理人が閲覧する場合

請求人の実印が押印された代理人の権限を証する書面請求人の印鑑に関する証明書及び委任による代理人の本人確認書類の提示を求めることとする。また、当該代理人の権限を証する書面及び請求人の印鑑に関する証明書(作成後3か月以内のものに限る。)については原本の提出を、委任による代理人の本人確認書類についてはその写しの提出を求めることとする。

なお、この場合にも、提出を受けた請求人の印鑑に関する証明書等を請求書と併せてつづり込み、保存するに当たっては、被害者等の現住所の閲覧制限措置をすることとする。

おって、登記官において、来庁した者の本人確認や提示された書面と登記記録等との照合等の必要があることは、前記(2)と同様である。

4 前記3以外の場合における登記簿の附属書類の閲覧(前記2(1)関係)

前記3以外の場合における登記簿の附属書類の閲覧の請求は、正当な理由がある場合に、正当な理由があると認められる部分に限って、することができる。したがって、閲覧の請求をする場合には、閲覧しようとする部分及び当該部分を閲覧する正当な理由を請求情報の内容とするとともに、正当な理

由を証する書面を提示しなければならない。

この「正当な理由がある」とは、請求人において登記簿の附属書類を閲覧することに理由があり、かつ、その理由に正当性があることをいう。具体的には、登記簿の附属書類中の個々の書類に含まれる情報の内容、重要度なども考慮しつつ、その閲覧が認められる程度の正当性があるかどうかを個別に

判断することになる。

なお、改正不登規則第193条第3項後段により、登記官は請求人に対して書面又は写しの提出を求めることができるが、登記官がこれを求めるのは、後記(1)イ、(3)ア若しくはエの場合又はこれに準じて特に必要があると認められる場合とする。

(1)  一般に「正当な理由がある」と認められる場合

ア 登記簿の附属書類のうち請求人が作成した書類の閲覧を請求する場合には、「正当な理由がある」と認められる。

この場合の正当な理由を証する書面の内容及び本人確認等の方法は、前記3(1)又は(2)の場合に準ずることとする。

ただし、同一文書について複数の作成名義人が存在する場合には、他の作成名義人の署名や押印等に係る部分については、別途「正当な理由がある」かどうかを判断する必要がある。

イ 自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類を請求人が閲覧することを申請人が承諾した場合には、「正当な理由がある」と認められる。

この場合の正当な理由を証する書面として、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類を請求人が閲覧することを承諾したことを内容とする当該申請人作成に係る承諾書(以下単に「承諾書」という。)の提示及びその原本又はその写しの提出を求めることとする。

なお、承諾書に記載される承諾に係る附属書類の内容及び範囲は、具体的に特定されている必要がある。

また、登記官は、承諾書の提示を受けた際に、本人確認書類による本人確認等を行うこととし、閲覧する請求人又は委任による代理人については、本人確認書類の提示及び提出を求めることとする。

おって、登記官において、提示された承諾書の記載内容と登記記録等とを照合し、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧について承諾があったかどうかを確認することとする。

(2)  一般に「正当な理由がある」とは認められない場合

ア 他の法令等により交付等に係る手続が規定されている場合

所有者の探索や相続人の調査等を理由として附属書類である戸籍関係書類や住民票の写し等の閲覧を請求する場合など、閲覧しようとする附属書類の交付等に係る手続が他の法令等に規定されており、その手続に基づいて交付を受けることができる場合には、原則として「正当な理由がある」とは認められない。

ただし、附属書類の閲覧以外に他にこれらの書類内容を確認する適切な手段がない場合(例えば、戸籍や住民票の除票が保存期間の経過等により廃棄されている場合)や官庁若しくは公署又はこれらから委託を受けた者が公益目的で所有者探索や相続人調査を行うために附属書類の閲覧を求める場合には、例外的に「正当な理由がある」と認められる。これらの場合には、戸籍や住民票の廃棄の事実等を証する書面又は官庁等若しくはこれらから委託を受けた者であることを証する書面の提示が必要となる。また、印鑑に関する証明書については、作成当時の登録に係る印影を確認することが閲覧の理由である場合には、他の手続により現在の登録に係る印影についての証明書の交付を受けることが可能であるとしても、それにより「正当な理由」を否定することとはしない。

イ 被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合

被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合には、当該現住所が記載された部分については、当該被害者等が請求人となる場合を除き、「正当な理由がある」とは認められない。

(3)  前記(1)及び(2)以外の場合(閲覧を請求する理由の類型と「正当な理由があるか」の判断)

ア 附属書類の真正性を確認するために当該附属書類の閲覧を請求する場合

(ア) 「正当な理由がある」場合

特定の附属書類の真正性が争点となる訴訟(その準備行為を含む。)のために閲覧が必要である場合には、「正当な理由がある」と認められる。この場合には、当該争点と明らかに関係がないと認められる附属書類を除き、原則として「正当な理由がある」と認められる。

(イ) 正当な理由を証する書面

特定の附属書類の真正性が争われていること及びその経緯等が記載された訴状等の訴訟資料やその案又は陳述書とする。ただし、記載された内容が具体性を有するものに限る。

(ウ) 正当な理由を証する書面の提出

登記官は、提示を受けた前記(イ)の正当な理由を証する書面又はその写しの提出を求めることとする。

(エ) 請求人の本人確認

登記官は、正当な理由を証する書面の提示を受けた際に、本人確認書類による本人確認等を行うこととする。

イ 相続人が相続に関する登記簿の附属書類(遺産分割協議書や遺言書など)の閲覧を請求する場合

(ア) 「正当な理由がある」場合

相続人が被相続人の相続に関する経緯等を確認するために当該相続に関する附属書類(遺産分割協議書や遺言書など)の閲覧を請求する場合には、紛争が具体的に生じていなくても、「正当な理由がある」と認められる。

この場合には、遺産分割協議書や遺言書のほか、これらに添付された印鑑証明書についても「正当な理由がある」と認められる。

(イ) 正当な理由を証する書面

請求人が閲覧を求める附属書類に関する相続に係る当事者であることを証する書面(戸籍関係書類及び本人確認書類)とする。

(ウ) 請求人の本人確認

登記官は、正当な理由を証する書面の提示を受けた際に、本人確認書類による本人確認等を行うこととする。

ウ 隣地の所有権の登記名義人等が附属書類の閲覧を請求する場合

(ア) 「正当な理由がある」場合

隣地その他の閲覧しようとする附属書類に係る土地についての筆界がその筆界に影響を及ぼすと認められる土地の所有権の登記名義人等(不登法第123条第5項に規定する所有権の登記名義人等をいう。

以下「隣地の所有権の登記名義人等」という。)が筆界確認の経緯等を確認するために筆界確認情報、不登規則第93条ただし書に規定する調査報告書や登記所備付地図作成作業の成果品である土地調査書の閲覧を請求する場合には、紛争が具体的に生じていなくても、「正当な理由がある」と認められる。

この場合には、筆界確認の経緯に関する資料である筆界確認情報、不登規則第93条ただし書に規定する調査報告書及び登記所備付地図作成作業の成果品である土地調査書のほか、これらに添付された請求人の印鑑証明書についても「正当な理由がある」と認められる。

(イ) 正当な理由を証する書面

請求人が隣地等の所有権の登記名義人等であることを証する書面とする。

(ウ) 請求人の本人確認

登記官は、正当な理由を証する書面の提示を受けた際に、本人確認書類による本人確認等を行うこととする。

エ 前記アからウまで以外に関する民事上の紛争に係る訴訟(その準備行為を含む。)のために附属書類の閲覧を請求する場合

(ア) 「正当な理由がある」場合及び正当な理由を証する書面

正当な理由を証する書面として民事上の紛争に係る訴訟(その準備行為を含む。)のために特定の附属書類の閲覧が必要であることを証する訴状等の訴訟資料やその案又は陳述書(いずれも、その記載内容が具体性を有するものに限る。)の提示を求めることとし、その内容及び請求情報とされた正当な理由の内容や対象となる附属書類に含まれる情報の内容、重要度などを踏まえて当該附属書類を閲覧する必要性が認められる場合には、「正当な理由がある」と認められる。

この場合には、閲覧する必要性が認められる範囲に限り附属書類を閲覧する「正当な理由がある」と認められる。

(イ) 正当な理由を証する書面の提出

登記官は、提示を受けた前記(ア)の正当な理由を証する書面又はその写しの提出を求めることとする。

(ウ) 請求人の本人確認

登記官は、正当な理由を証する書面の提示を受けた際に、本人確認書類による本人確認等を行うこととする。

オ 不動産の取得希望者が当該不動産の従前の取引経過等を確認するために附属書類の閲覧を請求する場合

この目的のみでは、「正当な理由がある」とは認められない。

ただし、当該自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の申請人からの承諾書がある場合には、承諾に係る附属書類については、「正当な理由がある」と認められる。この場合の取扱いは、前記(1)イのとおりである。

カ 前記アからオまで以外の理由により附属書類の閲覧を請求する場合

前記アからオまでを参考に、「正当な理由がある」と認められるかを個別具体的に判断する。「正当な理由がある」と認められる場合に閲覧を認める附属書類の範囲、正当な理由を証する書面の内容、本人確認の方法及び正当な理由を証する書面の提出の要否等についても、同様である。

5 閲覧請求書の書式

閲覧請求書の様式は、別紙のとおりとする。

なお、閲覧請求書のつづり込みについては、従前のとおりとする。

6 経過措置

改正不登法第121条第2項から第5項までの規定は、改正法の施行の日(令和5年4月1日)以後にされる登記簿の附属書類の閲覧請求について適用し、同日前にされた登記簿の附属書類の閲覧請求については、なお従前の例によることとされた(改正法附則第5条第3項)

登記簿の附属書類閲覧請求書(クリックで拡大)
登記簿の附属書類閲覧請求書(クリックで拡大)
登記簿の附属書類閲覧請求書(裏面)(クリックで拡大)
登記簿の附属書類閲覧請求書(裏面)(クリックで拡大)

不動産登記申請書、その添付書類の閲覧の流れ


ご相談

登記等のご相談の結果、不動産登記申請書やその添付書類の閲覧が必要であると司法書士が考えた場合には、その旨をお伝えします。

閲覧申請書に添付すべき書類の準備

司法書士が、閲覧するために必要な添付書類をお伝えしますので、ご用意ください。司法書士が取得することができる書類もありますが、別途報酬と実費を頂戴します。

管轄法務局への事前連絡/事前折衝

  • 過去の登記申請書や添付書類が、管轄法務局にあるとは限りません。管轄法務局が手狭などの理由により、別の法務局で保管されていることもあります。したがって、事前連絡(予約)は、必須です。
  • まず、ご自身を申請人とする登記記録の閲覧請求(不登法121Ⅳ)なのか、ご自身が申請人ではないが正当な理由による閲覧請求(不登法121Ⅲ)なのかを、お伝えください。
  • 次に「ご自身が申請人ではない閲覧請求(不登法121Ⅲ)」では、閲覧の「正当な理由」を法務局に説明する必要があります。
  • 閲覧請求を認めてもらえる書類の範囲(書類名)についても、折衝が必要です(不登法121Ⅲ)。

閲覧申請書、委任状の作成

法務局との事前折衝した結果に基づき、司法書士が、閲覧申請書と委任状を作成します。

委任状に押印いただきます。

管轄法務局に出張し、閲覧

法務局には2名で行くことをオススメします。登記申請書とその添付書類は、別の登記申請書とともに、分厚い冊子になっており、堅く紐(ひも)で綴じられているため、押さえておかないと閉じてしまいます。そのため、カメラで撮影する者と、登記申請書を押さえておく者の2名いた方が無難だからです。

法務局の登記官監視のもと閲覧します。

一部しか閲覧が認められなかった場合には、見てはいけないと指定された部分を見ないよう、ご注意ください。

閲覧結果のご報告

司法書士が、ご依頼者様へ、閲覧結果をお伝えします。

写真データになりますので、メールで納品します。

ウェブ会議による閲覧の流れ


令和6年6月24日から、ウェブ会議サービスを利用した閲覧が可能となりました。

その流れは次のとおりです。

管轄法務局への事前連絡/事前折衝

現地で閲覧する場合の折衝事項に加えて「ウェブ会議による閲覧希望である」旨もお伝えください。

閲覧申請書、委任状の作成

法務局との事前折衝した結果に基づき、司法書士が、閲覧申請書と委任状を作成します。

委任状に押印いただきます。

司法書士は、ウェブ会議による閲覧を希望する旨の申出書も作成します。

閲覧申請書等の提出

閲覧申請書等は、管轄登記所に郵送又は持参します。

(法務局から)日程とWeb会議用URLの通知

法務局は、閲覧申請書等を審査して、閲覧を許可する場合には、Web会議の日程とURLが通知されます。

(Webによる閲覧当日)本人確認

まず、登記官による閲覧者の本人確認(機器の操作のために補助者を同席させるときには、補助者の本人確認を含む。)が行われます。

(Webによる閲覧当日)Webによる登記申請書等の閲覧

標準的な所要時間


最初にお話を伺ってから、概ね2週間から1か月ほどです。

※ 添付書類が揃っているか等にもよります。

司法書士の報酬・費用


類型 司法書士の手数料 実費
ご自身を申請人とする申請書、添付書類の閲覧

33,000円~

+日当11,000円~

500円/一申請書

交通費

上記以外の申請書、添付書類の閲覧

55,000円~

+日当11,000円~

500円/一申請書

交通費

日当、交通費は、司法書士が出張すべき法務局によって異なります。

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